米税制改革法案への期待でドル買い続く 正副議長の同時選出の可能性も=NY為替後半

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 NY時間の終盤に入ってドル買いが続いており、ドル円は113円台半ばと本日の最高値圏で推移している。前日、米上院が2018会計年度の予算案を可決したことがドル買いのきっかけとなった。これで米税制改革の審議が年末にかけて本格化してくるとの期待感が市場に高まっているようだ。

 トランプ政権と米共和党指導部が提案している税制改革法案への市場の評価は悪くない。米株式市場は前倒しで織り込んでいるような雰囲気もあるが、満額は難しいにしても、一定の線で成立させることができるかが今後焦点となりそうだ。今後のトランプ大統領の政権運営の第1の関門でもあり、大統領としての力量が試される。米利上げ期待も重なり、年末にかけてドル高を期待する向きも増えてきているようだ。

 なお、午後になってトランプ大統領のFOXテレビでのインタビューとサンダース報道官の会見が伝わっていた。次期FRB議長の人選に関してまもなく発表するほか、テイラー、パウエル両氏の組み合わせも検討にあると述べた。

 フィッシャー前副議長が既に退任しているが、FOXテレビは大統領は正副議長を同時に選出する可能性もあると伝えている。ポジションはどうあれ、テイラー氏が参画することはタカ派要因の一つとの受け止めもできそうだ。

 ドル円は一時113.55付近まで上昇。今月の米雇用統計直後につけた高値を上回っている。先週は一時111円台半ばまで下落し、10日線と21日線のデットクロスまで示現するなど下値警戒感が高まっていたが、きょうはロング勢にとっては心強い動きとなっている模様。デットクロスがダマシに終わることが期待される展開。

 一方、ユーロドルは下値模索が強まっている。ストップを巻き込んで下げが加速しており一時、1.1765付近まで下げ幅を拡大。目先の下値サポートは今週の安値1.1730近辺が意識される。

 ポンドが堅調な動きをしている。この日のEU首脳会談でのメルケル独首相やツスクEU大統領、ユンケル欧州委員長、マクロン仏大統領などの要人発言がEU離脱交渉の進展に期待感を持たせているようだ。バルニエ首席交渉官はなお慎重なものの、次のステップである貿易交渉へ年内に進む可能性も指摘されていた。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美 

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