NY時間の終盤に入ってドル売りは一服している。米株式市場でダウ平均が本日の下げをほぼ解消しており、ドル円も112.70近辺まで戻す展開となっている。 ただ、きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円も一時112.30近辺まで下落。ロンドン時間に入って株価が世界的に下落するなど、きょうの市場は楽観的なムードが一服していた。ムニューシン米財務長官がきのう、「米税制改革法案を年内に成立されることができなければ、株式市場に大きく影響する」と述べていたが、このところの連日の最高値更新で高値警戒感も出ていた。 そのような中、アップルがサプライヤーに対し、11月と12月のアイフォーン8/8プラス向けの発注を50%以上減らしたとの報道も圧迫しているとも思われる。もっとも、11月はじめに「アイフォーンX」の発売を前に、消費者がアイフォーン8の購入を手控えている傾向もあることから、需要の基調が弱まっているといった話ではなさそうだ。 本日のドル円の21日線は112.45付近に来ているが、いまのところ、その水準を維持している。10日線と21日線のデットクロスが示現しており、テクニカル的には下向きのサインも出ている。前日の上げでダマシに終わるかとも思われたが、きょうの動きを見るとまだ下値警戒感は残る。 ただ、強気な見方も出てきており、この先6ヵ月間の目標水準は115円を見ている向きもいる。衆院選挙で安倍首相が政権を維持しそうな気配が濃厚となっている。そのこと自体は既に織り込んで市場は推移しているが、この先、FRBが利上げを更に進める一方で、日銀はアベノミクスのもとに当面、金融緩和が続くことが予想され、日米間の金融政策への格差がドル円を押し上げるとしている。 一方、ユーロドルは1.18台半ばまで一時上昇したものの、後半になってやや伸び悩む動き。ただ、きょうの上げで21日線を上放れる展開となっており、上昇軌道への回帰を期待させる動きも見られる。目先は10月12日の高値1.1880が上値レジスタンスとして意識される。 カタルーニャ情勢は依然として混沌としているが、いまのところユーロ相場は特にネガティブな反応を見せていない。ただ、スペイン中央政府が進める自治停止措置への対応を協議しているカタルーニャ州の指導者らは、早ければ来週にも独立宣言に踏み切ることを検討しているとも伝わっている。23日に州議会に集まり、独立を宣言する場合の段取りを議論する見通しだという。 カタルーニャ州はバルセロナなど同国経済の中心地でもあり、住民投票時のような暴力的な混乱が発生するようであれば、同国経済への影響は大きい。リスクとして留意したいところではある。 minkabu PRESS編集部 野沢卓美
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