株安と円高が進行、カタルーニャやNZなど政治リスクが表面化=ロンドン為替概況 19日のロンドン市場は、株安とともに円高が進行した。ロンドン早朝にはニュージーランドの政権交代が発表されNZドルが急落した。これまで10年近く政権を担当していた国民党が連立成立に失敗し、カギをにぎるNZファースト党が労働党、緑の党と連立政権を樹立することを発表した。NZドルはロンドン中盤にかけても圧力が継続、NZドル円は79円ちょうど水準と東京午前からは1円50銭超の大幅安となっている。NZドル/ドルも0.71台割れから0.70台前半へと下落。 欧州ではカタルーニャ問題に焦点が当てられている。この日はカタルーニャ州の独立宣言の有無の期限だったが、同州首相は明確な宣言を先延ばしとしたことで、スペイン中央政府は自治権停止措置の開始を宣言した。欧州株の下落とともに円買い圧力が広がっている。 ドル円はロンドン朝方に113.15レベルまで買われたが、その後は売り一色。欧州株安とともに米株先物が反落、米債利回り低下と円高とドル安両面の圧力を受けている。一時112.44レベルと112円台前半まで下押しされ、足元も上値が重い。 ユーロ相場は振幅。序盤はカタルーニャ関連の報道で売りが先行。ユーロドルは1.18台割れから1.1768レベルまで、ユーロ円は133円台半ばから132.50割れ水準まで下落。しかし、対ポンドでの買いフローの継続もあってその後は下げ渋り、ユーロドルは1.1836レベルに高値を伸ばした。ユーロ円は133円ちょうど近辺までと、ロンドン序盤からの下落の半分程度を戻すに留まっている。 ポンドは軟調。リスク回避的な動きに加えて、9月の英小売売上高の下振れが響いた。前月比-0.8%、前年比+1.2%といずれも事前予想を大きく下回った。ポンドドルは1.32台前半から1.3135レベルまで下落。ポンド円は149円台前半から147.92レベルまで急落した。その後は下げ一服も、1.31台後半や148円台前半など反発力は弱い。きょうあすと開催されるEU首脳会議ではEU離脱交渉の難航が懸念されている。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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