【これからの見通し】今週の株高・ドル安の流れ継続か、不安材料の影薄く 昨日は米株が再び上昇、ダウ平均は最高値を更新した。FOMC議事録では年内の追加利上げ観測が高まる一方で、インフレの伸び悩みについての指摘もあり、米長期債利回りには低下圧力が継続していた。為替市場では、ユーロやポンドなど欧州通貨主導でドル売りが継続、ドル円の上値も抑えられているが、ユーロ円やポンド円といったクロス円は上昇しており、円高の面は弱い。ドル円の値動きは鈍いものの、全般的にはリスク選好相場といえそうだ。きょうの東京株式市場でも日経平均は続伸。アジア株でも数十年来の高値をつける指数がでており、リスク選好ムードが健在。 株式市場の活況をみるかぎり、地政学リスクについては封印されているようだ。米国では税制改革案がスムーズに成立するのかどうか、トランプ大統領と北朝鮮の動向、欧州ではスペイン・カタルーニャ州独立問題の行方など不透明な材料は多いものの、リスク回避動向は一過性に留まる傾向にある。この後の海外市場でも株高とドル安の圧力は続きそうだ。 本日のイベントとしては、米国で新規失業保険申請件数(7日までの週)と生産者物価指数(9月)などの経済統計が発表される。米金融当局者の一部からは低インフレが世界的に常態化しているとの声もでているが、今回の米生産者物価指数は前回からの伸び加速が予想されている。また、米株式市場にとっての注目材料は、JPモルガンチェースとシティグループの決算が発表される予定。 また、ワシントンで国際金融協会(IIF)関連のイベントが開催される。ドラギECB総裁、ブレイナードFRB理事などをはじめ主要国の金融当局者が一同に集まる。ただ、過去の会合での発言内容からは、金融市場や大手金融機関の健全性に主眼を置いたテーマが多く、具体的な金融政策・経済見通しに踏み込む内容となるかどうかは不透明だ。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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