【これからの見通し】北朝鮮リスクがひとまず後退、米経済指標に視線移動できるか きょうは株高・円安とリスク選好の動きが優勢になっている。一部でXデーとみられていたきょうの北朝鮮の解放記念日にグアムへのミサイル発射が回避される見通しが強まったことが背景。昨日は、米国側からもティラーソン米国務長官やマティス国防長官などが外交での解決を強調しており、トランプ発言の火消し役となっていた。株式市場は昨日の欧州時間からきょうの東京時間にいたるまで上昇の動きが続いている。 ドル円は目先の節目となっていた110円台にアッサリと乗せており、次の110.50のポイントを試す動きになっている。クロス円もユーロ円が一時130円台をつけるなど総じて堅調。米債利回りの上昇で、ややドル買いの圧力もみられているが、全般的には円売りが前面に押し出されている。まずは欧州株をにらみながらリスク選好の流れがどの程度続くのかをみたいところ。 その後のNY時間には米小売売上高(7月)、米輸入物価指数(7月)、NY連銀製造業景況指数(8月)、米企業在庫(6月)、対米証券投資(6月)など一連の米経済指標が発表される。特に注目されそうなのが小売売上高。足元の2ケ月は前月比マイナスが続いたが、今回の市場予想は+0.3%程度となっており、3ヵ月ぶりのプラスとなる見込み。予想以上に強い結果となれば、米債利回り上昇とともにドル円にとっては一段高の材料となりそうだ。 今週の円安(安心)相場は、先週までの米朝の地政学リスク(不安)相場の反動の面が強そうだ。心理戦は方向感が不安定となりやすい点は留意しておきたい。来週24日からのジャクソンホール会合を控えて、今後ファンダメンタルズ材料に関心が戻るのか。まずは、米小売売上高の内容をみきわめたいところだ。 また、英国では消費者物価指数など一連の7月物価指標が発表される。消費者物価は前年比+2.7%と前回からはやや持ち直す見込み。一方、生産者物価は仕入れ・出荷は前年比がともに伸び鈍化となる予想。昨年の英国民投票からは1年以上経っており、そろそろポンド安の輸入価格への直接的な影響は一巡する可能性も。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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