【来週の注目材料】物価鈍化への警戒感続くか?<米PPI・CPI>

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 ドル安が優勢となる中で、注目度が高まっている米経済指標の発表。
そうした中、来週は10日に7月の米生産者物価指数(PPI)、11日に米消費者物価指数(CPI)が発表されます。

 直近の物価鈍化への警戒感が7月のイエレン議長の議会証言で示され、FOMC声明でも物価の現状認識について、表現が下方修正されたことで、このところのドル全面安の流れが強まった経緯があるだけに、来週発表されるこの2つの指標への注目度が高まっています。

 まず10日に発表されるPPIです。

 前回6月分は前月比が予想の前月比変わらずに対して+0.1%、前年比は予想の+1.9%に対して2.0%となりました。
エネルギー価格が前月比で-0.5%となっており、エネルギー価格の低下が全体を押し下げるとの思惑がありましたが、食品やサービス関連の強さもあって、予想よりも強めの数字となっています。
食品に押し上げられた分があるため、食品とエネルギーを除くコアは前月、前年ともに予想を下回る結果となりました。
また、前々回5月分の数字と比べると、前回は総合、コアともに前年比が弱めの数字となっています。

 こうした状況を踏まえて今回ですが、前年比+2.3%、コアの前年比+2.1%と、ともに6月から上昇が期待されています。
原油価格が低下し、全米のガソリン価格が3か月連続で低下するなど、エネルギー関連価格の低下が全般に目立っていますが、その他の物価動向の堅調さがPPIを押し上げてくると期待されています。
物価関係は鈍化につながる材料に大きく反応する展開が続いているだけに、予想を下回ると、ドル売りにつながる可能性がありそうです。

 一方、前回前年比が予想を下回る+1.6%となった11日発表のCPI。

 こちらは事前予想値が+1.8%と、改善が期待されています。

 CPIは米国のインフレターゲットの対象であはありませんが、対象であるPCEデフレータと同じような動きをすることが知られており、注目を集める指標です。

 食品・エネルギーを除いたコアは前年比+1.7%と6月と同じ水準が見込まれています。

 インフレターゲットの対象であるPCEはCPIに比べて若干低く出てきますが、基本的に同じ傾向となります。その為、11日のCPIが予想ほど回復を見せないと、PCEへの警戒感にもつながり、米国の年内開始期待を後退させる可能性があります。
こちらもドル売りで反応してきそうです。

みんかぶ「KlugFX」山岡和雅 

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