【これからの見通し】ドル売り圧力が優勢、きょうはポンドドルに注目 先週金曜日の米消費者物価指数と同小売売上高が予想を下回る結果だったことを受けて、週明けのドル相場もドル売り圧力が継続している。ユーロドルは節目の1.15台に乗せている。きょうは豪中銀議事録発表後の豪ドル/ドルが0.79台へと急伸。年内利上げが不透明になってきている米国に対してECBなどその他主要国の金融政策のタカ派の度合い(市場の期待)が増して来ているようだ。 ポンドドルも1.31近辺へと水準を上げてきている。きょうは、一連の6月英物価指標が発表される予定で、ポンド相場にとっては一段の値動きの恰好の材料となりそうだ。最も注目されそうな消費者物価指数・前年比は+2.9%と前回並の高水準となる見込み。生産者物価指数は前月比-0.9%と低下傾向が続く見通し。6月は原油価格が低下傾向を示しており、その影響が大きいようだ。小売物価指数は前年比+3.6%と前回+3.7%からわずかに伸びが鈍るが、消費者物価を大幅に上回るペースでの上昇が続くことになる。総合して、英中銀のタカ派度合いを強めそうだと市場が判断すれば、ポンドドルは一段高となりそうだ。 ドル円は112円を一時割り込むなど、ドル安の流れに沿った値動きになっている。クロス円動向は通貨ごとにまちまちとなっており、リスク回避の円買いといった図式はそれほど強まってはいない。ただ、米国など主要国の株式市場は高値警戒感から伸び悩む動きとなっており、調整が加速するようだと、リスク回避の面が強まることには注意が必要。特に、各国中銀が出口の方向性に動きだす状況とあっては株式市場の調整はなおさらだ。 その他の材料としては、ドイツZEW景況感指数(7月)、米輸入物価指数(6月)、対米証券投資(5月)などの経済指標発表が予定されている。米主要企業決算が本格化してきており、きょうはJ&J、BOA、ゴールドマンサックス、IBMなどの発表が予定されている。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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