【これからの見通し】欧州通貨上昇の流れ定着するか、ドラギECB総裁を注視

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】欧州通貨上昇の流れ定着するか、ドラギECB総裁を注視

 昨日のユーロ相場の急伸で、市場に新たな流れがでてきている。ユーロドルは1.13台後半へと水準を上げてきており、これまでの1.11-1.12台での揉み合いを上放れている。きっかけは昨日のドラギECB総裁のECBフォーラムでの基調講演。インフレ抑制材料は一時的なもの、デフレからリフレに転換、金融政策を微調整する可能性、などの内容にこれまでのドラギ総裁のかたくななまでの緩和堅持姿勢に変化がみられたとの解釈が広がっていた。

 一方で、半期末に関連したフローでユーロ買い・ドル売りが入ったとの観測もあり、この流れが今後定着するのかどうか、この後の海外市場の動向に注目が集まっている。

 昨日から始まったECBフォーラムではきょうもドラギECB総裁、カーニー英中銀総裁らが出席する討論会が行われる予定となっており、ドラギ総裁の発言に再びユーロ相場が揺れ動きそうだ。

 ロンドン時間は目立った経済統計の発表予定はない。NY時間には、MBA住宅ローン申請指数(23日までの週)、卸売在庫・速報値(5月)、中古住宅販売成約指数(5月)などの経済指標が発表される。米週間原油在庫統計の発表および米7年債入札(280億ドル)が実施される。

 昨日のNY時間には米ヘルスケア法案の上院採決が7月4日の米独立記念日以降の延期されると発表された。IMFが米経済成長率見通しを引き下げた際に指摘していた、政府の不透明が現実のものとなってきている。

 米CB消費者信頼感は予想を上回ったものの、直近に発表されてきた小売や消費者物価など一連の米経済指標は、やや弱めの内容だった。昨日のイエレンFRB議長の講演でも目新しい内容はみられず。市場の関心は米利上げ動向からECBの姿勢変化の有無へと移動しているようだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   
 

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