【これからの見通し】米FOMCで利上げ規定路線を確認も、各国インフレ動向に停滞感

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】米FOMCで利上げ規定路線を確認も、各国インフレ動向に停滞感

 昨日の米FOMCでは想定通りの利上げが発表された。このあとの金利見通しでは、年内にあと1回、来年は3回とこれまで通りの見方が示された。ドル相場は買いで反応した。しかし、その前に発表された5月の米小売売上高と米消費者物価指数が予想を下振れたことで、ドル相場が急落しており、FOMC後のドル買いではその下げを戻すのがせいぜいだった。

 特にドル円は上値が重く、110円台前半から108円台後半へ急落後の戻りは109円台まで。きょうの東京市場ではゴトオビの外貨需要もあってドル円は109円台後半へとジリ高となったが、前日の米経済統計発表前の110円台前半の水準はまだ遠い。

 市場では、FOMCをはじめとした各国中銀にとっては、利上げや出口戦略の決め手としてインフレ動向に敏感になっているようだ。しかし、足元では米国やドイツなどのインフレ上昇が足踏み状態となっており、強気にはなりにくい状況となっている。

 きょうは英国の金融政策発表や一連の米経済指標の発表が予定されている。また、あす東京早朝の時間帯には英中銀総裁がマンションハウス演説で経済や金融政策の見通しについて発言する予定。米国とともに、今後のインフレ動向への見方や、その後ろ盾となるファンダメンタルズ動向を探ることとなろう。

 英中銀の金融政策および議事録の発表は日本時間午後8時。カーニー英中銀総裁の演説は日本時間16日午前5時の予定。米国では、日本時間午後9時半に、輸入物価指数(5月)、フィラデルフィア連銀景況指数(6月)、NY連銀製造業景況指数(6月)、米新規失業保険申請件数(10日までの週)が発表される。日本時間午後10時15分には米鉱工業生産(5月)と設備稼働率(5月)ガ発表される予定。その他の材料としては、ユーロ圏財務相会合が開催され、前日にドイツ財務省が示唆したようにギリシャ支援合意があるのかどうかが注目されている。 

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

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