7日のロンドン市場は、ECBのインフレ見通しに関する報道を受けてユーロ相場が急落している。ユーロ圏当局者によると、あすのECB理事会の経済予測草稿で、CPI上昇率は2017、2018、2019年にそれぞれ1.5%程度になると発言。ただ、草稿は8日の発表まで最終版ではない、としている。前回3月のスタッフ見通しでは2017年1.7%、2018年1.6%、2019年1.7%だった。エネルギー安の見通しが背景にあるという。 この報道を受けてユーロドルは1.1270台から1.1205近辺まで、ユーロ円は123円台前半から122.63近辺まで急落。ユーロポンドなどクロス取引でもユーロ売りが強まっている。あすのECB理事会に関して、市場では出口戦略や成長見通し引き上げについて強く意識されてきており、きょうの報道でユーロの買い持ちへの調整圧力がかかったことになる。 ドル円は振幅。序盤は前日までのリスク回避相場の延長線上の動き。東京市場で一服していた円買いの動きが再燃して、109.12レベルまで下押しされた。4月21日以来の安値水準となった。しかし、ユーロドルの急落を受けて109.50近辺まで下げ渋っており、下方向に往って来いとなっている。 ユーロ以外の主要通貨はまちまち。ポンド円は141.40近辺から140.70台まで下落したあと、141円台前半へと持ち直している。ポンドドルは1.29ちょうどを挟んだ上下動に留まっている。あすの英総選挙を控えて結果待ちのムードとなっており、値動きの主導権はポンドからユーロに移っている。ユーロポンドは0.8730近辺から0.8680近辺へと下落。 豪ドルは堅調。東京午前の第1四半期の豪州GDPが前年比+1.7%と予想をやや上回ったことが背景。事前にマイナス成長を予想する向きもあったようで、豪ドル買いの反応が広がった経緯がある。ロンドン時間に入ってからも堅調な動きが継続。豪ドル円は82.77近辺に、豪ドル/ドルは0.7566レベルに高値を伸ばした。対ユーロでの豪ドル買いも入っており、明日の一連のイベントを前にポジション調整圧力が広がった面もあるようだ。 みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
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