OPEC総会にらんで神経質、ポンドはGDP下方修正で軟化=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
OPEC総会にらんで神経質、ポンドはGDP下方修正で軟化=ロンドン為替概況

 25日のロンドン市場は、ドル買いが優勢。OPEC総会をにらんで原油先物が急落しており、ドル高の動きへと波及した。OPEC総会をめぐってはこれまでロシアとサウジアラビアが減産の9ヶ月延長で合意しており、原油市場では買いが続いていた。一部には減産枠を拡大するとの期待もあったもよう。しかし、サウジアラビア石油相が減産枠の変更を否定、との報道にNY原油先物が急落。52ドル近辺を高値に一気に50ドル台前半へと下落。その後は51ドル台前半に持ち直す場面があったが、関係筋から減産の9ヶ月延長で合意した、と報じられると再び50.08ドルまで下落。その後も50ドル台と安値圏での取引が続いている。期待で買って、イベント終了で売られるパターンとなっている。

 この動きに反応したのが豪ドルやカナダドルといった資源国通貨。豪ドル/ドルは0.75台を割り込むと0.7460近辺へと下押し。豪ドル円は83円台後半から83.40近辺へと下落。前日の米FOMC後の上昇を消した。ドルカナダは1.34ちょうど近辺から一時1.3450手前水準まで上昇。カナダ円は83.40近辺から83.10近辺まで反落。

 欧州株が神経質な値動き。寄り付き時は小幅高で始まったが、原油安とともにマイナスに転じた。しかし、取引中盤にかけては再びプラス圏へと持ち直し。ドル円は111.60近辺での揉み合いからジリ高となり、一時111.94レベルまで買われた。ただ、112円台に乗せる勢いには欠けており、111円台後半に落ち着いている。

 ポンドは英GDP改定値をめぐり上下動。発表直前には買いが強まった。ポンドドルは1.3015レベル、ポンド円は145.44レベルまで高値を更新。しかし、第1四半期の英GDP改定値は、前期比+0.2%、前年比+2.0%と事前予想および速報値からいずれも0.1%ポイント下回る結果だった。これを受けてポンドは売りに転じる。ポンドドルは1.2940レベル、ポンド円は144.60レベルまで下押しされた。輸出入が悪化したほか、個人消費が引き続き低水準。市場では今年は四半期ベースの成長がマイナスに転じると見る向きもあった。インフレが消費マインドを抑制していることが主因。

 ユーロ相場はその他主要通貨に追随する動き。ユーロドルは序盤に1.1250レベルまで上昇も、ポンドドルや豪ドル/ドルの下落とともに1.1208レベルまで反落。ユーロ円は125.81レベルの高値をつけたあと、125.30近辺まで反落。この日は欧州の主要経済指標発表や目立つ要人発言はみられず、ユーロは相場の主導権を握ることができなかった。 

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明   

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。