【これからの見通し】先週来のドル売りに変調、きょうは米FOMC議事録

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】先週来のドル売りに変調、きょうは米FOMC議事録

 昨日のNY市場ではドル買いの動きが強まった。きっかとしては米予算教書の発表が挙げられよう。内容は事前報道と目立った違いはみられず、サプライズな点はなかったようだ。先週来かなりのペースで進んできたドル安の流れに調整が入る結果となっている。このドル買いが継続性を持つのかどうか。きょうのNY市場の動向に注目が集まる。

 米国関連の材料としては、米FOMC議事録(5月2日、3日分)の発表が最も関心を集めそうだ。市場での6月利上げ観測は再び高まってきており、CMEフェドウォッチでは83%程度となっている。FF金利先物市場ではほぼ100%利上げを織り込んできている。そのようななかで、利上げが見送られた5月FOMC会合で6月以降の利上げペースについでどの程度踏み込んだ議論があったのかを探ることとなりそうだ。

 その他では、MBA住宅ローン申請指数(19日までの週)、米中古住宅販売件数(4月)、米週間原油在庫統計、米5年債入札(340億ドル)および米2年物変動利付債入札(130億ドル)、カプラン・ダラス連銀総裁などが米国関連の材料。さらにトランプ米大統領がローマ法王と会談する予定。

 先週来のドル安の流れの受け皿としてユーロの上昇が目立っていたが、きょうはドラギECB総裁がスペインで講演を行う。スペイン経済の現状をにらみつつ、ドイツのように出口戦略について前向きの言及ができるのか、疑問もあるところ。これまで緩和路線の堅持を強調するようだと、先日からのユーロ売り・ドル買いが継続する可能性がありそうだ。

 カナダでは、中銀が金融政策を発表する。今回も政策金利の0.5%での据え置きが想定される。前回の会合では経済成長の上振れに継続性があるのかどうか、結論付けることは時期尚早とされていた。ポイントは雇用状況の緩みの解消が進んでいるかどうかとなりそうだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明  

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