【これからの見通し】インフレと金利高でドル買いに、ドル円は112円台を視野に

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【これからの見通し】インフレと金利高でドル買いに、ドル円は112円台を視野に

 今週はドル高の動きが息を吹き返している。きっかけは原油相場の急騰で世界的なインフレ圧力が警戒されていること。これまでの経済回復によるデマンドプルなインフレというよりは、供給不足が生産の足かせとなる形でインフレが高進する様相を呈している。

 金融当局者達からも、インフレ圧力が長引く可能性が警戒されてきている。従来からのインフレは一時的、といった論調には説得力が次第に失われつつあるようだ。インフレ指標は月ごとの発表であることから、日々のマーケットではインフレ期待を反映する債券利回りに注目しているようだ。その代表格である米10年債利回りは、今週に入ってから節目の1.50%を上回っており、足元では1.57%付近へと上昇している。NY原油先物は79ドル台半ばまで上伸する場面があった。株式市場は警戒モードとなっている。日経平均は8営業日連続の下落となった。

 このあとのマーケットでも米債利回り動向をにらみながら、ドル高の進行度合いを見る展開となりそうだ。ドル円は111円台後半へと上昇してきており、大きな調整も入らないことから、112円の大台を視野に入れている。

 NY序盤には米ADP雇用統計が発表される。9月の民間雇用者数は43万人程度の増加が予想されている。前回8月の37.4万人増からは改善が見込まれている。ただ、コロナ禍の影響もあって数字は読みにくい状況。市場の期待に反して弱い数字が出ることもあり注意したい。逆に強い結果となれば、米金融当局の利上げ期待が高まることで株式市場が再び不安定化する可能性もあり、いずれにせよ注意が必要に。

 その他の経済指標発表は、ユーロ圏小売売上高(8月)、MBA住宅ローン申請指数(1日までの週)など。金融当局者のイベントは、センテノ・ポルトガル中銀総裁の講演が予定されている。注目されている原油相場にとっては、米週間石油在庫統計が発表される。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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