株価指数先物【引け後コメント】 オプション権利行使価格の2万9625円を中心としたレンジ推移に

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限
日経225先物 29620 -200 (-0.67%)
TOPIX先物 2035.5 -22.0 (-1.06%)

 日経225先物(12月限)は前日比200円安の2万9620円で取引を終了。寄り付きは2万9770円とシカゴ日経平均先物清算値(2万9775円)にサヤ寄せする格好で始まった。その後、2万9820円と前日比変わらずの水準まで戻したがプラス圏を回復することはできず、前場半ばには「中国の不動産開発会社、佳兆業集団(カイサ・グループ)が、子会社の発行した理財商品の支払いを実行できなかったもよう」との報道が嫌気されて2万9570円まで売られる場面があった。ランチタイムでは2万9600円を挟んで保ち合いが継続するなか、現物の後場寄り付き直後には一時2万9500円まで下落。もっとも、下値を売り込む動きは限られ、引けにかけては短期筋のショートカバーから下落幅を縮めており、オプション権利行使価格の2万9625円を中心としたレンジ推移に。

 米国市場における半導体株物色の流れを受けて、東京市場でも東京エレクトロン<8035>が最高値を更新するなど、半導体株物色がみられた。ただし、今期上方修正ながらコンセンサスに届かなかったダイキン<6367>が売られたほか、テルモ<4543>、エムスリー<2413>はアナリストによる格下げの影響で弱い値動きとなり、指数を押し下げる格好となっていた。

 NT倍率は先物中心限月で14.55倍に上昇した。値がさハイテク株主導による指数インパクトは限られたものの、10月前半の14.10倍からのリバウンド形状は継続しており、米国雇用統計の発表を受けた米国市場の動向が注目されよう。米ハイテク株の強い値動きが続くようだと、改めて値がさハイテク株に対する資金流入の思惑につながり、NT倍率の上昇を想定したNTロングによるスプレッド狙いのポジションが積み上がる可能性がありそうだ。なお、日経225先物の5日移動平均線は2万9500円から2万9620円辺りに切り上がっているため、同線を支持線とした底堅さを確認したいところだろう。同線を下回ってくるようだと、再び2万9000円を狙ったショートも入りやすいと考えられる。

 手口面では、日経225先物はJPモルガンが980枚、SBIが420枚、モルガンSが380枚、クレディスイスが320枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1740枚、ソジェンが930枚、みずほが290枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はゴールドマンが1160枚、ソジェンが840枚、モルガンSが820枚、ドイツが630枚程度の売り越しに対して、シティが1350枚、JPモルガンが1100枚、みずほが1010枚、BNPパリバが600枚程度の買い越しだった。

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