株価指数先物【寄り前コメント】 原油安を受けたリバランスにより、相対的に日経平均型優位の展開が見込まれる

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 25400 +650 (+2.62%)
TOPIX先物 1804.5 +43.0 (+2.44%)
シカゴ日経平均先物 25395 +645
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックなど主要な株価指数が上昇。アラブ首長国連邦(UAE)が、石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で構成される「OPECプラス」に対して原油増産を呼び掛ける考えを表明したことを受け、原油先物相場が大幅に下落。インフレ懸念が後退するなか、幅広い銘柄が買い直された。S&P500業種別指数は銀行、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスが上昇する一方で、エネルギー、公益事業が下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、日中大阪比645円高の2万5395円で取引を終えた。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比100円高の2万4850円で始まり、開始直後につけた2万4800円を安値に強いリバウンドを見せると、取引終盤にかけて2万5450円まで買われ、2万5400円とナイトセッションの高値水準で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップで始まりそうだ。ナイトセッションで5日移動平均線(2万5230円水準)を突破したことで、同線を支持線とした2万5500円とのレンジに切り上がることになろう。直近の大幅な下落に対するヘッジを外す動きのほか、ショートカバーにもつながりそうである。

 リバランスが強まるため、資源関連株への利食いが予想される一方、指数インパクトの大きい値がさ株がけん引する格好となることから、相対的に日経平均型優位の展開が見込まれよう。ただし、日本政府が感染対策を前提に大規模イベントの人数制限について撤廃する方針を固めたと報じられており、TOPIX型の動きも注目される。

 VIX指数は32.45に低下し、切り上がる5日線を支持線としたトレンドを若干下回ってきたが、依然として上向きの方向性を継続しているため、買い一巡後は次第にこう着感が強まりやすい。また、チェルノブイリ原発で電力供給が遮断され放射性物質が漏れる恐れもあると報じられており、ウクライナ情勢を巡る報道には引き続き注意する必要がありそうだ。

 なお、明日に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、限月交代に伴うロールオーバー中心の商いとなるものの、手口面からはロールは順調に行われている。メジャーSQは大幅な売り越しになるとの見方についても、2万5500円辺りで推移してくるようだと過度な警戒感は和らぎそうだ。

 NT倍率は先物中心限月で14.00~14.10倍で推移しており、本日はレンジ上限への上昇が見込まれるが、SQ通過後は3月期末を意識した動きによりTOPIX型の見直しが想定される。そのため、レンジ上限に位置する25日線水準での攻防が続くようだと、NTショート組成のタイミングになる可能性も意識しておきたい。

株探ニュース

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