株価指数先物【寄り前コメント】 ショート優勢も、2万7500円割れでは押し目狙いのロングスタンス

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27550 -250 (-0.89%)
TOPIX先物 1938.0 -13.5 (-0.69%)
シカゴ日経平均先物 27520 -280
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

  5日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。ウクライナのゼレンスキー大統領が国連安保理で演説し、国際社会に惨状を訴えた。欧州連合(EU)がロシアへの追加制裁案を公表したほか、米国は6日にも新たな制裁を発表すると伝わったことを受けて、世界景気への不透明感が高まった。また、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、国債など保有資産の圧縮についてインフレ抑制を急ぐ姿勢を強調。金融引き締めに積極的な発言を受けて長期金利が上昇するなか、半導体株などの下げが目立った。S&P500業種別指数は公益事業、ヘルスケア機器・サービス、食品・生活必需品小売が上昇する一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、運輸が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比280円安の2万7520円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比40円高の2万7840円で始まり、2万7880円まで買われた後は下げに転じた。米国市場の取引開始後に2万7600円を割り込むと、終盤にかけて下落幅を拡大させており、一時2万7440円まで売られ、2万7550円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まろう。米半導体株が軒並み売られていることから、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となり、下へのバイアスが強まりそうだ。日経平均株価の75日移動平均線は2万7439円辺りに位置しているため、同線が支持線として機能するかを見極める動きが意識されよう。米国によるロシアへの制裁がどの程度の規模になるのか、これを受けた米国市場の反応も注目される。

 もっとも、FRBのブレイナード理事の発言については、同氏はバランスシート縮小(QT)の可能性を示唆するなど、タカ派姿勢を強めていた。市場はこれを相当織り込んでいると見られるほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表を控え、積極的にポジションを傾けているとは考えづらい。日経225先物は2万7500円~2万8000円辺りでのレンジ推移を想定しつつ、2万7500円割れから75日線が位置する2万7200円水準までは押し目狙いのスタンスとなろう。

 短期的にはショートが入りやすい需給になるが、終盤にかけては新年度入りに伴う資金流入への思惑からショートカバーは入りやすい。また、VIX指数は21.03と20.00を上回ってきたものの、水準としては依然として直近のボトム水準で推移していることもあり、リスクオフには傾かないと見られる。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.24倍に上昇し75日線を上回ってきたが、同線での攻防が見込まれ、スプレッド狙いの動きは入りづらい。

株探ニュース

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