株価指数先物【寄り前コメント】 日経225先物は2万7000円水準での底固めが意識される

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27030 +130 (+0.48%)
TOPIX先物 1901.5 +10.5 (+0.55%)
シカゴ日経平均先物 27055 +155
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 7日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを積極化するとの警戒から売り先行で始まると、NYダウは一時300ドルを超える下落を見せた。ただし、売り一巡後は逆イールド(長短金利の逆転)が解消されたほか、米新規失業保険申請件数が前週比5000件減の16万6000件と予想(20万件程度)以上に減少したことを受けて、ディフェンシブ株を中心に買い直され、主要な株価指数は上昇に転じた。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、医薬品・バイオテクノロジー、ヘルスケア機器・サービスが上昇する一方で、電気通信サービス、不動産、メディアが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、日中大阪比155円高の2万7055円で取引を終えた。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比60円高の2万6960円で始まり、その後は上昇に転じると、一時2万7240円まで上げ幅を広げる場面があった。米国市場の取引開始後には再び下げに転じ2万6870円まで売られたが、終盤にかけて持ち直しており、2万7030円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや買い先行で始まろう。ナイトセッションでは2万6870円まで下げる場面も見られたが、日中安値の2万6780円は割り込まなかったことで、25日移動平均線が支持線として機能する格好となった。また、NYダウ、S&P500、ナスダックも25日線をサポートに切り返すなどテクニカルポイントで反発を見せている。セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレの抑制に向けて政策金利を3%-3.25%まで引き上げる必要があるとの認識を示したと報じられているなか、引き続き神経質な相場展開が見込まれるものの、ひとまず日経225先物は2万7000円水準での底固めは意識されそうだ。

 テクニカル面では75日線が2万7150円辺りに位置しているため、心理的な上値抵抗線として強弱感が対立しやすい。75日線接近ではショートとなる一方で、2万7000円を下回る局面では、その後のショートカバーを想定した押し目狙いのロングになろう。週末要因もあって積極的に仕掛けてくる動きは考えづらく、前場の段階で弱含むようであれば、後場は比較的底堅く推移する展開を想定しておきたい。

 VIX指数は21.55に低下した。一時23.82まで上昇する場面もあったものの、前日に続き75日線に上値を抑えられる格好だった。金融引き締め加速を市場は織り込んできていると見られ、リスク回避の動きは強まらないだろう。また、NT倍率は先物中心限月で75日線が位置する14.20倍を挟んだ推移を継続。昨日は14.19倍に低下して始まったものの、その後は持ち直しを見せており、75日線を上回って終えた。明確な方向性は確認しづらいところであるが、25日線が切り上がりを見せて75日線とのカイ離を縮めてきていることもあり、NTロングの動きは意識されよう。

株探ニュース

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