「2万7000円水準での底固めを想定、指数イベント控えNT倍率は上向く可能性も」 今週の日経225先物は、2万7000円水準での底固めを意識しつつも、75日移動平均線(2万7140円)や5日線(2万7230円)辺りで上値の重さが警戒される局面では、25日線が位置する2万6680円水準を試してくる可能性を警戒しておきたい。米国では今週から決算シーズンに入るほか、国内でも決算発表の本格化が近づく中、様子見気分は徐々に高まりやすいだろう。まずは8日取引終了後に決算を発表した安川電機 <6506> [東証P]の市場反応に関心が集まる。 同社の決算については、2023年2月期業績予想が市場コンセンサスを上回る強気の計画であり、ポジティブな反応となればセンチメント改善につながるだろう。ただし、市場反応が限られるようだと、今後本格化する決算に対して慎重姿勢が高まりやすく、商いの膨らみづらい需給状況が継続することになりそうだ。なお、米国ではJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス・グループ 、モルガン・スタンレー 、シティグループ 、ウェルズ・ファーゴ など金融企業の決算が予定されている。 8日の米国市場ではNYダウが上昇する一方で、ナスダック、 S&P500が下落しており、ナスダック指数は25日線を割り込んできた。長期金利の上昇が嫌気されて半導体株などの弱い値動きが影響した格好だった。前週までのショートカバーが一巡するなかで支持線を下回ってきたため、連動性の観点からは日経平均型の重荷となる可能性がありそうだ。米国市場が金融引き締めの加速を織り込む動きを見せている状況のなか、引き続き長期金利の動向には注視する必要がありそうだ。 もっとも、6日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨において示された5月FOMCでの0.5%利上げや資産圧縮(QT)開始については概ね織り込まれており、6月、7月の0.5%利上げについても織り込んできていると見られる。一方で長期金利の上昇によるVIXショックの再来を警戒する声も聞かれ始めており、まずは5月FOMCでの0.5%利上げが実施された後の市場反応を見極めたいとするムードは強い。ただし、8日のVIX指数は21.16に低下。先週は6日に24.76まで上昇する場面があったが、同水準に位置する75日線に上値を抑えられる格好となり、その後は低下を見せた。 そのため、現時点ではリスク回避姿勢はそれほど高まらないと見られるが、ロシア問題や上海市のロックダウン(都市封鎖)などに伴うコモディティ価格の高騰が、企業の業績見通しにどの程度影響を与えているかを見極めたいところであろう。慎重な業績見通しが相次ぐようであれば、景気後退リスクが高まるとともにVIX指数の上昇傾向は強まりやすく、ヘッジ対応のショートに向かう可能性にも注視しておく必要がある。 先週のNT倍率は先物中心限月で14.24倍だった。同水準に位置している75日線を挟んだ狭いレンジ推移を継続している。NTスプレッドの動きは明確な方向性を見せていないが、支持線として意識されつつある25日線が切り上がってきているため、小幅なレンジ推移ながらも、75日線を下回る局面では、その後の短期リバウンドを睨んだNTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)が想定される。 また、長期金利が上昇するなかで指数インパクトの大きい値がさ株は手掛けづらいものの、TOPIXの浮動株比率変更を控えて、先週末には早速、「ウェート低下銘柄売り」・「ウェート上昇銘柄買い」のトレードが観測された。指数に絡んだ需給要因によって、相対的にはNT倍率は上昇しやすい。 3月第5週(3月28日-4月1日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では3週ぶりに売り越しており、売り越し額は8340億円(前週は1234億円の買い越し)だった。なお、現物は3603億円の買い越し(同1649億円の売り越し)と6週ぶりの買い越しであり、先物は1兆1944億円の売り越し(同2884億円の買い越し)と4週ぶりに売り越している。個人は現物と先物の合算で3週ぶりに1469億円の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で6592億円と4週連続の買い越しだった。 なお、信託銀行は3月29~30日と配当再投資が行われたため、想定通りの買い越し。海外投資家は現物と先物の合算で最大の売り手となったが、特に先物での売り越しが目立っており、配当再投資に合わせたアービトラージの取引となったようだ。 経済スケジュールでは、11日に中国3月消費者物価指数(CPI)、中国3月生産者物価指数(PPI)。12日に米国3月CPI、13日に2月機械受注、中国3月貿易収支、米国3月PPI、14日に欧州中央銀行(ECB)政策金利、米国3月小売売上高、米国4月ミシガン大学消費者態度指数、15日に米国4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米国3月鉱工業生産などが予定されている。なお、15日はグッドフライデーの祝日で欧米市場は休場となる。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月08日 26960 27240 26760 27040 +140 22/06 04月07日 27430 27430 26780 26900 -530 22/06 04月06日 27840 27880 27200 27430 -370 22/06 04月05日 27690 28020 27630 27800 +10 22/06 04月04日 27730 27870 27570 27790 +130 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月08日 1895.5 1913.5 1883.0 1898.0 +7.0 22/06 04月07日 1927.5 1929.0 1881.0 1891.0 -36.5 22/06 04月06日 1955.0 1956.5 1918.5 1927.5 -24.0 22/06 04月05日 1953.5 1974.5 1942.5 1951.5 -6.5 22/06 04月04日 1948.0 1958.0 1939.5 1958.0 +16.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 04月08日(06月限) 26990 -50 04月07日(06月限) 27055 +155 04月06日(06月限) 27110 -320 04月05日(06月限) 27520 -280 04月04日(06月限) 28000 +210 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 04月01日 3074億円 +560億円 1兆0899億円 -2338億円 03月25日 2514億円 +136億円 1兆3237億円 +1692億円 03月18日 2378億円 +317億円 1兆1545億円 +2178億円 03月11日 2060億円 +2018億円 9366億円 +4736億円 03月04日 42億円 -292億円 4630億円 +346億円 02月25日 334億円 -9億円 4283億円 -647億円 02月18日 344億円 -1482億円 4931億円 +805億円 02月10日 1826億円 +1471億円 4126億円 +603億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 04月06日 8689万株 -158万株 3億4340万株 -2589万株 04月05日 8848万株 -186万株 3億6930万株 -681万株 04月04日 9034万株 -94万株 3億7611万株 -1045万株 04月01日 9129万株 -73万株 3億8656万株 -2931万株 03月31日 9202万株 +1521万株 4億1588万株 -9037万株 03月30日 7681万株 +218万株 5億0625万株 +216万株 03月29日 7462万株 +51万株 5億0409万株 +5041万株 03月28日 7410万株 +715万株 4億5368万株 -306万株 03月25日 6695万株 +165万株 4億5674万株 +179万株 03月24日 6530万株 -97万株 4億5494万株 -372万株 03月23日 6628万株 +1万株 4億5867万株 +2855万株 03月22日 6626万株 -4万株 4億3011万株 +2558万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 株探ニュース
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