「2万7000円を挟んだレンジ推移を想定、利益成長に市場の関心がシフトするなかNTロングでのスプレッド狙いも一考」 今週の日経225先物は、2万7000円を挟んで狭いレンジ推移が継続しそうである。先週は週前半に700円超下落し一時2万6260円(ナイトセッションを含む)まで売られたものの、週後半のリバウンドによって先週比で若干の上昇だった。また、米国市場もグッドフラーデーの3連休前のポジション調整やヘッジの売りもあって自律反発の域は脱せず、明確な方向感に乏しい週であった。先週はニューヨーク連銀総裁が0.5%の利上げに関して「妥当な選択肢」との見解を示したことで売られるなど、引き続き金利を巡る発言・報道に対してマーケットは過剰、かつ敏感に反応する状況だった。 15日に発表された4月のニューヨーク連銀製造業景況指数は24.6に上昇しコンセンサスを上回る内容だった。これを受けた連休明けの金利および株式市場の動向には注意する必要がある。また、月曜日は欧州市場がイースターマンデーの祝日となることから商いは膨らまず、週初はこう着感の強い相場展開になりそうだ。すでに15日の東証プライムの売買高は海外勢の商いが細った影響で8億8000万株と、東証1部だった2月21日以来の10億株を下回る薄商いであった。 為替市場の動向にも注視する必要があるだろう。今週は主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が20日に、米ワシントンで開かれる。約20年ぶりの水準まで進んだ円安を巡り、「21日を軸に日米財務相会談を開く方向で検討に入った」と報じられるなか、関連する報道によっては1ドル=130円台が視野に入る一方で、調整に入る可能性もあり、為替変動をきっかけとしたインデックスに絡んだ荒い値動きには警戒しておきたいところである。 また、決算シーズンに入るが、今週は21日に日本電産 <6594> [東証P]が予定されているほかは発表される企業数は少ない。米国では決算発表が本格化してきており、先週はゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレー 、シティグループ 、USバンコープ などの金融株が厳しい環境下ながらコンセンサスを上回る決算となった。ただし、今後のコスト増や企業の資金調達の低迷といった要因が重荷となるとの見方もあり、まちまちの動きだった。 一方で、方向感が乏しくリバランス中心となるなか、米国の投資家が半導体関連のETFを大幅に買い越しているとの見方もされている。短期的にはボラティリティの高い状態ながら、TSMC が14日に発表した決算では成長率見通しを上方修正するなど堅調だったこともあり、市場の関心が金利上昇への警戒から徐々に利益成長にシフトしていく可能性もあるだろう。 そのため、決算待ちとはなるが、株価が低迷する東京エレクトロン <8035> [東証P]など成長期待の大きい半導体株を見直す動きが、日経平均型の底堅い値動きにつながることで、先回り的に日経225先物へのロングに向かわせる局面もありそうだ。先週のNT倍率は先物中心限月で一時3月半ば以来の14.30倍に上昇する場面が見られた。週前半に14.10倍まで低下し、支持線として意識されていた25日移動平均線を下回る場面もあったが、週後半にかけて上値抵抗線として意識されていた75日線を突破しており、トレンドは上向いている。相場全体がこう着感の強い展開になるなか、NTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)によるスプレッド狙いは入りやすいだろう。 また、先週のVIX指数は12日に25.38まで上昇した後は、25日、75日線に上値を抑えられる形状で低下を見せている。金利動向のほかウクライナ情勢、中国のロックダウンによる経済への影響を警戒しつつもVIX指数は低位で落ち着いた動きであるため、リスク選好に向かいそうだ。そのため、積極的なリバウンド狙いのロングスタンスは考えづらいものの、ショートは振りづらく、押し目狙いのロングが入りやすいだろう。 4月第1週(4月4日-8日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週ぶりに買い越しており、買い越し額は6159億円(前週は8340億円の売り越し)だった。なお、現物は6857億円の買い越し(同3603億円の買い越し)と2週連続の買い越しであり、先物は697億円の売り越し(同1兆1944億円の売り越し)と2週連続で売り越している。個人は現物と先物の合算で3757億円の買い越しで、2週連続の買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で4764億円の売り越しとなり、5週ぶりの売り越しだった。信託銀行は3月第5週(3月28日-4月1日)で見られた配当再投資に伴う買いから、新年度入りに伴う利益確定の売りが入ったようだ。海外投資家も前週の大幅な売り越しに対するリバランスの動きとなった。 経済スケジュールでは、18日に中国3月小売売上高、中国3月鉱工業生産、中国1-3月期GDP、19日に2月鉱工業生産確報値、米国3月住宅着工件数、米国3月建設許可件数、20日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)、G20財務相・中央銀行総裁会議、21日に米国4月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米国3月景気先行指標総合指数、G7財務相・中央銀行総裁会合(~22)、22日に3月全国消費者物価指数、米国4月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値などが予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月15日 27170 27310 26770 27080 -110 22/06 04月14日 26820 27210 26650 27190 +310 22/06 04月13日 26260 26880 26240 26880 +560 22/06 04月12日 26890 26970 26260 26320 -500 22/06 04月11日 27090 27180 26710 26820 -220 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月15日 1908.5 1910.5 1880.5 1896.5 -12.5 22/06 04月14日 1890.0 1910.0 1878.5 1909.0 +15.5 22/06 04月13日 1858.0 1893.5 1858.0 1893.5 +32.0 22/06 04月12日 1893.5 1902.0 1859.5 1861.5 -28.0 22/06 04月11日 1902.0 1910.0 1881.5 1889.5 -8.5 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 04月15日(06月限) 休場 04月14日(06月限) 26915 -275 04月13日(06月限) 26950 +70 04月12日(06月限) 26300 -20 04月11日(06月限) 26730 -90 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 04月08日 2848億円 -226億円 8842億円 -2056億円 04月01日 3074億円 +560億円 1兆0899億円 -2338億円 03月25日 2514億円 +136億円 1兆3237億円 +1692億円 03月18日 2378億円 +317億円 1兆1545億円 +2178億円 03月11日 2060億円 +2018億円 9366億円 +4736億円 03月04日 42億円 -292億円 4630億円 +346億円 02月25日 334億円 -9億円 4283億円 -647億円 02月18日 344億円 -1482億円 4931億円 +805億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 04月13日 7770万株 -373万株 2億9479万株 +449万株 04月12日 8143万株 -697万株 2億9030万株 -2311万株 04月11日 8840万株 +676万株 3億1341万株 -1383万株 04月08日 8163万株 -47万株 3億2724万株 -1833万株 04月07日 8211万株 -478万株 3億4557万株 +217万株 04月06日 8689万株 -158万株 3億4340万株 -2589万株 04月05日 8848万株 -186万株 3億6930万株 -681万株 04月04日 9034万株 -94万株 3億7611万株 -1045万株 04月01日 9129万株 -73万株 3億8656万株 -2931万株 03月31日 9202万株 +1521万株 4億1588万株 -9037万株 03月30日 7681万株 +218万株 5億0625万株 +216万株 03月29日 7462万株 +51万株 5億0409万株 +5041万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 株探ニュース
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