「米国市場は4会合の利上げを織り込む動き、目先のボトムを模索へ」 今週の日経225先物は、22日の米国市場が大幅続落した影響により、週初はギャップスタートが見込まれる。先週は2万7000円および75日移動平均線水準での底堅さが意識されていたが、ナイトセッションでこの水準を明確に割り込んできたため、2万6500円や4月13日につけた直近安値(ナイトセッション含む)である2万6240円、さらに節目の2万6000円が下値のメドとして意識されてくる可能性が高まった。 22日の米国市場でNYダウが一時1000ドルを超える下落となったほか、ナスダックは2.5%超の下落で3月半ば以来の安値水準に接近してきた。米長期金利が高止まりするなか、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが景気を冷やすとの懸念が改めて強まった。パウエルFRB議長は21日、国際通貨基金(IMF)の会合で、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において0.5%の利上げが選択肢となるとの考えを示した。 5月FOMCでの0.5%利上げを市場はほぼ100%織り込んでいるものの、直近2日間の米国市場の下落は、5月、6月、7月、9月の4会合まで1会合当たり0.25~0.50%の引き上げを織り込んでいく動きのようにも映る。クリーブランド連銀のメスター総裁は1回の会合での0.75%の利上げには反対の考えを示しているが、市場は「0.5%の利上げを今後何回行うか」をテーマとして動くことになろう。 VIX指数は28.21に上昇し、上値抵抗線だった75日線を明確に上放れてきた。リスクオフに向かいやすいところだが、日経225先物のナイトセッションでの下落はそれほど大きくはなく、週明けの日本株は大幅続落が想定されるものの、ギャップスタート後の底堅さは意識される可能性がありそうだ。また、21日の米国市場では商いを伴っての下落であり、3月半ば以来の出来高だった。コモディティさえも弱くS&P500業種別指数はすべてが下落するなど、4回会合利上げを一気に織り込みに行ったともみられ、調整は最終段階にきている可能性もある。また、ショートも明らかに積み上がったとみられる。 今週は米国では大型テック株の決算が控えているほか、国内でも主要企業の決算発表が本格化する。さらに月末、ゴールデンウイーク(GW)前であることや、GW中に5月のFOMCが開催されるとあって、市場参加者は限られ、薄商いのなかでイレギュラー的に値幅の出やすい週でもある。基本的には短期的なトレードが中心で、ショートに向かいやすい需給状況であることから、その後のリバウンドを想定した押し目狙いのロングスタンスが有効になりそうだ。 なお、4月27日、28日の日銀金融政策決定会合では、金融政策に関してイールドカーブ・コントロール、資産買い入れ方針、フォワード・ガイダンスといった全ての面で据え置きが予想される。日銀が公表した地域経済報告で、9地域中8地域で景気判断が下方修正されている以上、日銀は当面、それをサポートすべく金融緩和を続けるとの判断に落ち着くと見られる。 また、先週のNT倍率は先物中心限月で14.20~14.30倍のレンジ推移だった。3月下旬以降は14.30倍が上値抵抗となる一方で、75日線水準では底堅さがみられていた。週初は指数インパクトの大きい値がさ株が指数を押し下げることで、NT倍率の低下が見込まれるものの、75日線および13日の安値14.10倍に接近する局面では、修正リバウンドを想定したNTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)によるスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。 4月第2週(4月11日-15日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続で買い越しており、買い越し額は866億円(前週は6159億円の買い越し)だった。なお、現物は863億円の買い越し(同6857億円の買い越し)と3週連続の買い越しであり、先物は3億円の買い越し(同697億円の売り越し)と3週ぶりに買い越している。個人は現物と先物の合算で192億円の売り越しで、3週ぶりの売り越し。信託銀行は現物と先物の合算で2309億円の売り越しとなり、2週連続の売り越しだった。 経済スケジュールでは、25日に2月景気動向指数改定値、26日に米国3月耐久財受注、米国4月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、米国3月新築住宅販売件数、27日に米国3月卸売在庫、28日に3月鉱工業生産、米国1-3月期実質国内総生産(GDP)、29日に米国3月個人消費支出、米国4月ミシガン大学消費者態度指数確報値、米国4月シカゴ購買部協会景気指数が予定されている。 ――プレイバック・マーケット―― ●SQ値 01月限 日経225 28266.57 TOPIX 1988.69 02月限 日経225 27835.60 TOPIX 1965.67 03月限 日経225 25457.94 TOPIX 1808.03 04月限 日経225 27122.37 TOPIX 1904.02 ◆日経225先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月22日 27520 27760 26890 27100 -420 22/06 04月21日 27200 27580 27080 27520 +340 22/06 04月20日 26950 27390 26870 27180 +130 22/06 04月19日 26730 27110 26660 27050 +300 22/06 04月18日 27110 27120 26560 26750 -330 ◇TOPIX先物(日足) 始値 高値 安値 清算値 前日比 22/06 04月22日 1927.0 1941.5 1891.5 1903.0 -24.5 22/06 04月21日 1914.5 1930.0 1908.5 1927.5 +13.5 22/06 04月20日 1894.0 1926.5 1888.5 1914.0 +14.5 22/06 04月19日 1875.0 1899.5 1872.5 1899.5 +23.0 22/06 04月18日 1898.0 1898.0 1862.0 1876.5 -20.0 ●シカゴ日経平均 円建て 清算値 前日比 04月22日(06月限) 26755 -345 04月21日(06月限) 27155 -365 04月20日(06月限) 27180 0 04月19日(06月限) 27260 +210 04月18日(06月限) 26845 +95 04月14日(06月限) 26915 -275 ※前日比は大阪取引所終値比 □裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額) 売り 前週末比 買い 前週末比 04月15日 2549億円 -298億円 7969億円 -873億円 04月08日 2848億円 -226億円 8842億円 -2056億円 04月01日 3074億円 +560億円 1兆0899億円 -2338億円 03月25日 2514億円 +136億円 1兆3237億円 +1692億円 03月18日 2378億円 +317億円 1兆1545億円 +2178億円 03月11日 2060億円 +2018億円 9366億円 +4736億円 03月04日 42億円 -292億円 4630億円 +346億円 02月25日 334億円 -9億円 4283億円 -647億円 □裁定取引に係る現物ポジション(株数) 売り 前日比 買い 前日比 04月20日 7741万株 +82万株 2億8756万株 +782万株 04月19日 7658万株 -57万株 2億7974万株 -310万株 04月18日 7716万株 +440万株 2億8285万株 -1008万株 04月15日 7275万株 -68万株 2億9294万株 +898万株 04月14日 7344万株 -425万株 2億8395万株 -1084万株 04月13日 7770万株 -373万株 2億9479万株 +449万株 04月12日 8143万株 -697万株 2億9030万株 -2311万株 04月11日 8840万株 +676万株 3億1341万株 -1383万株 04月08日 8163万株 -47万株 3億2724万株 -1833万株 04月07日 8211万株 -478万株 3億4557万株 +217万株 04月06日 8689万株 -158万株 3億4340万株 -2589万株 04月05日 8848万株 -186万株 3億6930万株 -681万株 04月04日 9034万株 -94万株 3億7611万株 -1045万株 ■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分) 【2022年】 1月14日 701億円 1月25日 701億円 2月14日 701億円 3月07日 701億円 4月07日 701億円 株探ニュース
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