株価指数先物【引け後コメント】 ギャップスタートからの一段安で、ショートのほかヘッジ対応に伴う売りが一気に入った

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 26390 -720 (-2.65%)
TOPIX先物 1881.5 -38.0 (-1.97%)

 日経225先物(6月限)は前日比720円安の2万6390円で取引を終了。寄り付きは2万6720円と、シカゴ日経平均先物清算値(2万6885円)を下回って始まった。その後も下へのバイアスが強まるなか、前場半ばには2万6330円まで下落。前場半ば以降はやや下げ渋る動きを見せると、ランチタイムから後場半ばにかけては2万6330円~2万6490円辺りでの保ち合いレンジが継続した。終盤にかけて一時2万6310円まで下落幅を広げる場面も見られたが、引け間際にやや下げ渋り2万6390円で取引を終えた。

 ギャップスタートで始まり、その後下落ピッチが強まったことから、ショートのほかヘッジ対応に伴う売りが一気に入ったようである。G7首脳がロシア産石油の禁輸に向けて取り組むと表明したことを受けた資源価格の上昇懸念に加え、5月9日がロシアの「戦勝記念日」とあって地政学リスクへの警戒なども売り圧力を助長した。また、グローベックスの米株先物でNYダウの下落幅が一時400ドルを超え、ナスダック100先物、S&P500先物も1%を超える下げで推移していたこともヘッジ売りに向かわせたと見られる。

 日経225先物の下落率は2.65%、TOPIX先物は1.97%とTOPIX型優位の展開となり、NT倍率は一時13.99倍と3月半ば以来の14.00倍を下回る場面があった。いったんはリバランスの動きが入る可能性はあるものの、ナスダックが年初来安値を連日で更新するなか、NTロングのポジションは取りづらい。一方で、3月16日の安値13.85倍が意識されてきたことで、短期的なリバランスのタイミングでは、その後の低下を想定したNTショートによるスプレッド狙いの動きに向かいそうだ。

 なお、プーチン大統領は戦勝記念日の式典で演説を行い、ウクライナを軍事支援する欧米の脅威を背景に軍事侵攻に踏み切ったと正当化した。予想されていた内容だったものの、米株先物が依然として大幅に下落して推移していることもあって、アク抜け期待は高まりづらい。

 日経225先物は4月27日につけた2万5970円(ナイトセッションを含む)までの調整は市場参加者の間で想定されていようが、この水準を割り込んでくると、下へのバイアスが一段と強まる可能性がある。まずは米国市場の動向を見極めたい。

 手口面では、日経225先物はJPモルガンが2060枚、野村が1270枚、大和が910枚、クレディスイスが850枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが4090枚、UBSが610枚、みずほが460枚程度の買い越しだった。野村の売りはレバETFのヘッジ対応の動きと見られ、ABNアムロの買いは、裁定解消(現物売り・先物買い)の動きといったところか。TOPIX先物はBofAが1530枚、JPモルガンが1040枚、ゴールドマンが710枚程度の売り越しに対して、BNPパリバが2250枚、ソジェンが1000枚程度の買い越しだった。

株探ニュース

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