株価指数先物【引け後コメント】 日経平均型のインデックス買い主導でNTロングへの転換が近づく

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限
日経225先物 26700 +260 (+0.98%)
TOPIX先物 1890.0 +4.5 (+0.23%)

 日経225先物(9月限)は、前日比260円高の2万6700円で取引を終了。グローベックスの米株先物が弱い値動きで推移していたこともあり、寄り付きは2万6360円とシカゴ日経平均先物(2万6485円)を下回り、ショートが先行する形で始まった。ただし、現物の寄り付き時につけた2万6290円を安値に切り返し、早い段階で前日の終値水準を回復。しばらくは同水準でこう着を見せていたが、前場半ば以降にレンジを上放れると、心理的な抵抗線だった5日、25日移動平均線をクリアし、一気にリバウンド基調が強まった。前引け直後には2万6700円まで買われる場面もあり、後場は2万6600円~2万6700円辺りのレンジ推移を継続。取引終了間際に2万6710円と日中高値を更新した。

 6月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなるなか、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げが確実視されたほか、利上げ幅が1%に拡大するとの観測も浮上した。NYダウの下落幅は一時460ドルを超えるなど、まさにCPIショックの様相を見せていた。しかし、東京市場は売り先行で始まったものの、円相場が1ドル=139円台に乗せるなど24年ぶりの円安水準を追い風に輸出関連株に買いが集まった。また、日米金利差を狙った海外勢の資金流入への思惑が高まったほか、前日に日経平均をけん引した東京エレクトロン <8035> [東証P]やファーストリテイリング <9983> [東証P]、ソフトバンクグループ <9984> [東証P]が引き続き買われるなど、日経平均型のインデックス買いが断続的に入ったこともセンチメントを改善させたようだ。

 もっとも、ロシアから欧州への天然ガス供給不安などで大幅に下落した週前半の修正リバウンドの範囲内であり、リバランスが中心であろう。週初の高値水準である75日線辺りを試す動きは意識されるものの、積極的にロングに傾けづらいところでもある。

 一方で、足元でテクノロジー株を見直す動きが見られる。きっかけは先日の韓国サムスン電子の予想を上回る決算だったが、本日はTSMCの予想を上回る決算を材料視する動きも見られた。減速懸念から低迷していたテクノロジー株に対してリスクを取りに行く動きが続くようだと、日経平均型によるリバウンドが意識されそうだ。

 なお、NT倍率は先物中心限月で14.12倍に上昇し、一気に上値抵抗の25日線水準まで上げてきた。6月6日の戻り高値14.42倍を起点とした調整トレンドラインの上限を捉えてきたため、いったんは達成感も意識されやすい。ただし、25日線を明確に突破し、14.18倍辺りに位置する75日線に接近する局面では、昨年2月高値15.68倍からの調整トレンドの転換が意識されてくる可能性もあるためNTロングに転換するだろう。

 手口面では、日経225先物はABNアムロが2360枚程度の売り越しに対して、シティが1010枚、野村が910枚程度の買い越しだった。ABNアムロは裁定買い(現物買い・先物売り)に伴う商いだろう。TOPIX先物はモルガンSが870枚、BofAが530枚の売り越しに対して、SBIが1190枚程度の買い越しだった。

株探ニュース

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