IMFが金融安定化報告を公表 銀行の混乱でリスクが全て去ったとの宣言は時期尚早

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 IMFはきょう、金融安定化報告を公表し、銀行の混乱について、リスクが全て去ったと宣言するのは時期尚早で、銀行の破綻は経済成長の重しとなる公算が大きいとの見解を示した。当局の強力な対応が市場の不安を緩和したものの、金融市場の脆弱性と緊張状態は続いていると指摘している。

 IMF金融資本市場局のエイドリアン局長は、見通しに対するリスクを投資家は甘く考え過ぎている可能性があるとしたうえで、特に米国株のバリュエーションの高さに言及。銀行破綻以降に全体的な金融環境は有意なほど引き締まっていないと指摘している。急速な金融政策の引き締めが金融リスクの世界に根本的な変化をもたらしている。資産配分や資産価格、市場環境が新しい状況に適応しつつあり、市場構造と投資家、金融機関に難題を突き付けているとも分析した。

 IMFは金融システムについて、保有する米国債およびその他債券の未実現損失を全て考慮に入れた場合、資産100億-3000億ドルの米銀の約9%が事実上の資本不足に陥ると指摘したほか、商業用不動産は多くの国で価格が著しく過大で、最近の混乱を受けた銀行や他の貸し手が一段と信用を収縮させるリスクにさらされているとも指摘した。

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