市場は今月13日、14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)をにらむ展開が続いています。一時は利上げ見通しがかなり強くなる状況が見られましたが、先週の米ジェファーソンFRB理事やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による金利据え置き示唆発言などもあって、一転して据え置き見通しが濃厚となっています。 3日から米国はブラックアウト期間と呼ばれるFOMC関係者による金融政策に関する発言が基本的に禁止される期間に入っています。そのためこれからFOMC本番までは経済指標動向などに注目しながら市場の見通しの変化をにらむ展開となります。ただ、5日23時に発表される5月の米ISM非製造業景気指数程度しか目立った指標発表がありません。 1日に発表された5月のISM製造業景気指数は市場予想の47.0、4月の47.1を下回る46.9となりました。7カ月連続で好悪判断の境となる50を下回った形です。内訳の中で特に目立ったのは今後に向けての先行指標と言われる新規受注で4月の45.7から3.1ポイントの低下で42.6となりました。これまでの利上げによる影響が出ているのではとの警戒感を誘い、6月の金利据え置き見通しに影響しています。 5月23日に発表された同系統の指標である5月のS&Pグローバル社による非製造業購買担当者景気指数(PMI)は4月の53.6から55.1へ上昇しました。同指標は製造業がISM製造業同様に市場予想よりも弱く出る一方で、非製造業は市場予想の52.6よりも強く出ています。 こうした状況を受けてのISM非製造業景気指数の市場予想ですが、52.5と4月の51.9から上昇見通しとなっています。4月は新規受注が56.1と3月の52.2から大きく伸びて全体を支えました。今回も強めの数字が出てくると、追加利上げ期待の回復につながる可能性があります。 MINKABU PRESS 山岡和雅
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