NY株式1日(NY時間13:34) ダウ平均 34779.65(+57.74 +0.17%) ナスダック 14012.04(-22.93 -0.16%) CME日経平均先物 32705(大証終比:+5 +0.02%) きょうのNY株式市場でダウ平均は小反発。ただ、上値も重く伸び悩む動きも見られている。取引開始前に8月の米雇用統計が発表になったが、失業率が3.8%と予想以上に上昇したことが株式市場をサポートした。また、非農業部門雇用者数(NFP)は18.7万人増と予想を上回ったものの、前回、前々回分が大幅に下方修正され、相殺されている。注目の平均時給は前年比4.3%の上昇と予想通りではあったものの、前月比が0.2%の上昇に鈍化しており、賃金上昇傾向への一服感を示す内容でもあった。 今回の米雇用統計を受けて、FRBの追加利上げ期待が無くなったとまでは考えづらいが、再来週の米消費者物価指数(CPI)の内容次第では、少なくとも9月FOMCでの利上げはほぼ確実に見送られそうな数字ではある。短期金融市場でも年内の利上げ期待が後退しており、あと1回の確率を37%程度で織り込む動きとなっている。 ただ、米株式市場は取引開始直後こそ買いが先行したが、米国債利回りが急速に上昇に転じたことから、IT・ハイテク株中心に売りが広がり、指数も上げを失っている。ナスダックは下げに転じる動き。 米雇用統計はFRBの追加利上げ期待は後退させたものの、ソフトトンディングのシナリオを強化する内容でもあり、米国債利回りは10年債や30年債といった長期ゾーンが上昇。一方で政策金利に敏感な2年債は横ばいとなっている。米株式市場のファンダメンタルズにとっては好都合な状況とも思われるが、このところの米株式市場は米国債利回り上昇に対して過度に苦手意識を強めており、きょうもシステマティックにネガティブな反応を見せているのかもしれない。 個別に決算絡みでは、半導体のブロードコム<AVGO>が決算を受け下落。AIブームが業界の一部で需要をけん引しているにもかかわらず、同社は広範な消費減速に巻き込まれていることが示された。同社はアップル<AAPL>主要部品メーカーだが、売上げの減少に苦悩している。 デル・テクノロジーズ<DELL>が大幅高。PC市場の回復に前向きな兆候を見せ、企業向けテクノロジー市場の回復への期待を高めた。 *米雇用統計(8月)21:30 非農業部門雇用者数 結果 18.7万人 予想 16.5万人 前回 15.7万人(18.7万人から修正) 失業率 結果 3.8% 予想 3.6% 前回 3.5% 平均時給 結果 0.2% 予想 0.3% 前回 0.4%(前月比) 結果 4.3% 予想 4.3% 前回 4.4%(前年比) 労働参加率 結果 62.8% 予想 62.6% 前回 62.6% ブロードコム<AVGO> 873.10(-49.79 -5.40%) デル<DELL> 68.35(+12.11 +21.53%) アップル<AAPL> 189.04(+1.17 +0.62%) マイクロソフト<MSFT> 327.54(-0.22 -0.07%) アマゾン<AMZN> 137.17(-0.84 -0.61%) アルファベットC<GOOG> 136.52(-0.84 -0.61%) テスラ<TSLA> 246.42(-11.66 -4.52%) メタ・プラットフォームズ<META> 296.29(+0.40 +0.14%) AMD<AMD> 109.75(+4.03 +3.81%) エヌビディア<NVDA> 486.23(-7.32 -1.48%) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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