石油週間展望=80ドル台でペナント形成か、中東情勢や金融市場に注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
          [10月30日からの1週間の展望]
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         週間高低(カッコ内は日付)     10 月 23 日〜 10 月 27 日
                始  値    高  値        安  値       帳入値    前週末比
ガソリン  先限   75,000    75,000(23)    75,000(23)   75,000        ±0
灯  油  先限   73,000    73,000(23)    73,000(23)   73,000        ±0
原  油  先限   70,950    71,990(27)    70,110(25)   71,990       -970
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                                        10 月 23 日〜 10 月 27 日
<海外原油> 週間4本値 始 値   高  値      安 値     終 値   前週末比
  NY原油 12 月限      88.00    88.29(23)    82.08(25)  85.54     -2.54
ブレント原油 12 月限      92.11    92.45(23)    86.68(25)  90.48     -1.68
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27日 東京時間の午後3時15分現在 ドル・円 150.15 前週末比 0.28円の円安
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【前週のレビュー】NY原油は12日に底入れして急反発。12月限の目先の上値メド
は9月28日の戻り高値の92.48ドル。期近のつなぎ足ベースでは11月限が付け
た95.03ドルとなるとした。

【NY原油は80ドル台でペナント形成の動き】
 ニューヨーク原油12月限は戻り高値も20日の89.85ドルまでで、9月28日
の高値92.48ドルから5日の安値80.61ドルまでの下げ幅の78.6%戻しの
89.90ドルをほぼ達成後に大きく崩れた。90ドル手前で急反落したことで前回の
当欄で記した拡大波どころか全値戻しにも発展しなかった。
 これにより前述の92.28ドルを高値に修正波入りした可能性が高まっており、前
述の安値80.61ドルを割り込むような下落で底入れするのか、あるいはそれを下回
らずに80ドル台で広めのもみ合いでペナントを形成するのかを見極めることが目先の
チャート上の焦点となる。
 現時点では、前述の80.61ドルから89.85ドルまでの上げ幅の78.6%押
しである82.27ドルを達成後に戻しており、後者のペナント形成のシナリオの可能
性が高まっている。

 材料的には、イスラエルとハマスの交戦状況が引き続き注目されるが、材料的には強
弱どちらにも反応する状況となっており、現在見送られているイスラエルのガザへの本
格的な地上侵攻のタイミングが最大の焦点となりそうだ。またイスラエルとハマスだけ
でなく、その背景にある中東地域全体の軍事的ニュースにも引き続き注目したい。
 またドル高傾向が強まり、ニューヨークダウ平均株価が底割れするなど、金融市場の
リスクオフ傾向も原油にとっては逆風になっている。
 来週は10月最終週から月またぎとなるが、日銀金融政策決定会合や米連邦公開市場
委員会(FOMC)、さらに英金融政策報告などが発表されるため、原油もさらに金融
市場に左右されやすい地合いが続きそうだ。

 独自要因としては、よく月初に開催されている石油輸出国機構(OPEC)プラスの
共同閣僚監視委員会(JMMC)が11月は26日に開催予定のため、ひとまず目先は
焦点とならないが、11月に入ると、年内実施予定のサウジアラビアとロシアの自主減
産及び輸出削減策が来年も延長されるか否かが注目材料のひとつになりそうだ。

 外部要因を見ると、ニューヨークダウ平均株価はついに3万3000ドルの節目を割
り込み底割れした。
 ドルインデックスは再び106ポイント台に乗せてドル高傾向となっている。

【米国、OPECプラス産油国からの原油輸入が減少】
 米国内に目を移すと、直近の米エネルギー情報局(EIA)の週報で、原油在庫は前
週比137万2000バレル増の4億2112万バレルと増加した。加えてニューヨー
ク原油の受渡場所であるオクラホマ州クッシング在庫もは同21万3000バレル増の
2123万バレルと増加した。
 ただ、米国のOPECプラス産油国からの原油輸入が減少しているとの指摘も聞かれ
る。米調査会社、ケプラーによると、10月の米国の海上経由の原油輸入は日量247
万バレルと、9月の同292万バレルを下回る見通し。ナイジェリア、アルジェリア、
サウジアラビアなどOPECプラス産油国からの輸出減少も背景にあるという。

【東京原油、ガソリンのテクニカル分析】
 東京原油先限は7万円台で戻り歩調。21日移動平均線でもあるボリンジャーバンド
の中心線(7万0480円辺り)とボリンジャーバンドの1シグマ(7万2610円辺
り)の間で戻す展開。
 ガソリン先限は名目値で7万5000円水準の横ばい。

【NY原油のテクニカル分析】
 ニューヨーク原油12月限は高値から反落も直近は21日移動平均線でもあるボリン
ジャーバンドの中心線(85.18ドル辺り)と−1シグマ(82.64ドル辺り)の
間の攻防となっている。

29日【他 】欧州標準時間入り

30日【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
   【経済】独消費者物価指数 2023年10月速報(連邦統計庁)
   【経済】英マネーサプライ 2023年9月(BOE)

31日【経済】労働力調査(失業率) 2023年9月(総務省)
   【経済】一般職業紹介状況(有効求人倍率) 2023年9月(厚生労働省)
   【経済】鉱工業生産指数 2023年9月速報(経済産業省)
   【経済】小売業販売額 2023年9月速報(経済産業省)
   【経済】自動車生産・輸出実績 2023年8月(JAMA)
   【経済】総裁記者会見(日本銀行)
   【経済】金融市場調節方針公表(日本銀行)
   【経済】金融政策決定会合(日本銀行)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2023年10月(物流購買連合会)
   【経済】中国非製造業購買担当者景況指数 2023年10月(物流購買連合会)
   【経済】ユーロ圏国内総生産 2023年7-9月期速報(EUROSTAT)
   【経済】ユーロ圏消費者物価指数 2023年10月速報(EUROSTAT)
   【経済】独国内総生産 2023年7-9月期速報(連邦統計庁)
   【経済】仏国内総生産 2023年7-9月速報値(INSEE)
   【経済】仏消費者物価指数 2023年10月速報(INSEE)
   【経済】仏生産者・輸入物価指数 2023年9月(INSEE)
   【納会】英ブレント原油 2023年12月限(ICE EUROPE)
   【経済】米雇用コスト指数 2023年7-9月期(労働省)
   【経済】米住宅価格指数 2023年8月(連邦住宅金融局)
   【経済】米ケース・シラー住宅価格指数 2023年8月(S&P)
   【経済】米シカゴ購買部協会景気指数 2022年10月(シカゴ購買部協会)
   【経済】米消費者信頼感指数 2023年10月(カンファレンスボード)
   【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
   【工業】米週間石油統計(API)
   【納会】米改質ガソリン・ヒーティングオイル 2023年11月限(NYMEX)

 1日【経済】新車登録台数 2023年10月(自販連)
   【経済】軽自動車新車販売速報 2023年10月(全軽自協)
   【工業】原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
   【工業】石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
   【決済】プラッツドバイ原油 2023年10月限(東京商品)
   【発会】プラッツドバイ原油 2025年1月限(東京商品)
   【経済】中国製造業購買担当者景況指数 2023年10月(財新)
   【休日】仏万聖節
   【経済】米住宅ローン申請指数(MBA)
   【経済】米雇用統計 2023年10月(ADP)
   【経済】米建設支出 2023年9月(商務省)
   【経済】米製造業景況指数 2023年10月(ISM)
   【経済】米FOMC声明文公表(FRB)
   【経済】米連邦公開市場委員会(FRB)
   【経済】米新車販売台数 2023年10月(Autodata)
   【工業】米週間石油統計(EIA)

 2日【経済】対外及び対内証券売買契約等の状況 10月22日-10月28日(財務省)
   【経済】ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年10月確報(Markit)
   【経済】独雇用統計 2023年10月(連邦雇用庁)
   【経済】英政策金利公表(BOE)
   【経済】英金融政策委員会議事録 11月1日分(BOE)
   【経済】英金融政策報告(BOE)
   【経済】米新規失業保険申請件数(労働省)
   【経済】米耐久財受注 2023年9月確報値(商務省)
   【経済】米製造業新規受注 2023年9月(商務省)

 3日【休日】文化の日
   【経済】中国サービス業購買担当者景況指数 2023年10月(財新)
   【経済】ユーロ圏雇用統計 2023年9月(EUROSTAT)
   【経済】独貿易収支 2023年9月(連邦統計庁)
   【経済】仏 鉱工業生産指数 2023年9月(INSEE)
   【経済】米雇用統計 2023年10月(労働省)
   【経済】米非製造業景況指数 2023年10月(ISM)
   【商品】米建玉明細報告(CFTC)
   【商品】全米石油堀削稼動数(米ベーカーフューズ)

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