[11月13日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 10 月限 11 月 6 日〜 11 月 10 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,590 9,617 ( 6) 9,435 (10) 9,519 -76 銀 111.3 111.3 ( 6) 109.3 ( 9) 110.5 -1.7 プラチナ 4,429 4,461 ( 6) 4,141 (10) 4,152 -282 パラジウム 5,400 5,400 ( 9) 5,100 (10) 5,100 -300 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 10 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 1,937.7 -61.5 | ドル・円 151.37 0.95 円安 銀 (12) 2,228.1 -100.4 | 日経平均 32,568.11 +618.22 プラチナ ( 1) 845.6 -98.7 | NY原油 (12) 77.17 -3.34 パラジウム (12) 978.80 -149.50 |* ドル・円は15時15分現在、原油は10日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは中国の景気刺激策とドル高でもみ合い、とした。 プラチナは金軟調や景気減速懸念を受けて売り優勢となった。現物相場は10月6日 以来の安値854.50ドルを付けた。プラチナ先限は10月16日以来の安値 4147円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は2018年9月以来の安値 991.28ドルを付けた。 ニューヨーク市場でプラチナの大口投機家が買い越しに転じるなか、週明けに売り圧 力が強まった。ユーロ圏や中国の景気減速懸念も圧迫要因になった。欧州中央銀行(E CB)理事会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、ECBが近く利下げに 転じる公算は小さいと述べた。インフレに対する警戒感を維持し、必要に応じて再び利 上げを行う用意があるとした。10月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数 (PMI)改定値は46.5と前月の47.2から低下し、新型コロナウイルス規制が 強化されていた2020年11月以降で最低となった。9月のユーロ圏小売売上高は前 月比0.3%、前年比2.9%減となり、消費需要低迷と景気後退見通しを裏付けた。 また10月の中国の貿易統計によると、輸出は前年比6.4%減(事前予想3.3% 減)、輸入は3.0%増(同4.8%減)で565億3000万ドル黒字(同820億 ドル黒字)となった。輸出減少を受けて景気回復のもたつきに対する懸念が強まった。 また10月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.2%下落と前月の横ばいから下落 に転じ、生産者物価指数(PPI)は同2.6%下落し、13カ月連続のマイナスとな った。さらなる支援措置が必要とみられている。ただ安値で上海プラチナの出来高が急 増した。中国勢の買いが続くと、下げ止まるとみられる。 10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万人増加と事前予想の18万 人増加を下回った。失業率は3.9%と前月の3.8%から小幅上昇した。労働市場の 減速の見方を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止の見方が強まった。ただ パウエル米FRB議長は、適切なら一段の政策引き締めを躊躇しないと述べ、インフレ 率を2%に下げる上で十分な引き締めを行ったと完全には確信を持てていないとの考え を改めて示した。CMEのフェドウォッチで、12月の米連邦公開市場委員会(FOM C)の利上げ確率は14.6%(前週19.8%)となった。 【ロンドンのプラチナETF残高が減少】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、8日のロンドンで12.79トン(前 週末12.98トン)に減少、9日のニューヨークで30.19トン(同30.19ト ン)、8日の南アで11.57トン(同11.57トン)と変わらずとなった。またパ ラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.32トン(同3.32トン)、ニューヨ ークで5.72トン(同5.72トン)、南アで0.27トン(同0.27トン)と変 わらずとなった。ロンドンのプラチナETF残高が減少した。ユーロ圏や中国の景気減 速懸念を受けて上げ一服となるなか、投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員 会(CFTC)の建玉明細報告によると、10月31日時点のニューヨーク・プラチナ の大口投機家の取組は1万0826枚買い越し(前週480枚売り越し)に転じ、パラ ジウムの売り越しは1万0253枚(同1万1240枚)に縮小した。 【中東の紛争拡大抑制による金軟調も圧迫要因】 イスラエル軍はガザ市を包囲し、市内で作戦を展開した。米ホワイトハウスは9日、 イスラエルはガザ北部から民間人が避難できるよう、毎日4時間、戦闘を休止すると発 表した。ただイスラエル軍は、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスに対する軍事作 戦について、いかなる停戦にも同意していないとした。レバノンの親イラン組織ヒズボ ラとイスラエルの戦闘があったが、紛争は中東全体に拡大することはなく、金に手じま い売りが出た。 当面の予定(イベント・経済統計) 13日 企業物価指数 2023年10月(日本銀行) 米財政収支 2023年10月(財務省) 建玉明細報告(CFTC) 14日 英雇用統計 2023年10月(国立統計局) ユーロ圏域内総生産 2023年7-9月期改定(EUROSTAT) 独景況感指数 2023年11月(ZEW) 米消費者物価指数 2023年10月(労働省) 15日 国内総生産 2023年7-9月期1次速報 (内閣府) 中国小売売上高 2023年10月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2023年10月(国家統計局) 英消費者物価指数 2023年10月(国立統計局) ユーロ圏鉱工業生産 2023年10月(国家統計局) ユーロ圏貿易収支 2023年9月(EUROSTAT) 米小売売上高 2023年10月(商務省) 米生産者物価指数 2023年10月(労働省) 米製造業景況指数 2023年11月(ニューヨーク連銀) 米企業在庫 2023年9月(商務省) 16日 機械受注 2023年9月(内閣府) 貿易収支 2023年10月速報(財務省) 中国住宅価格指数 2023年10月(国家統計局) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米輸出入物価指数 2023年10月(労働省) 米製造業景況指数 2023年11月(フィラデルフィア連銀) 米鉱工業生産・設備稼働率 2023年10月(FRB) 対米証券投資 2023年9月(財務省) 17日 英小売売上高 2023年10月(国立統計局) ユーロ圏国際収支 2023年9月(ECB) ユーロ圏消費者物価指数 2023年10月確報(EUROSTAT) 米住宅着工・許可件数 2023年10月(商務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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