[11月20日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2024 年 10 月限 11 月 13 日〜 11 月 17 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 9,513 9,614 (17) 9,411 (14) 9,604 +85 銀 110.5 115.3 (17) 112.4 (15) 115.3 +4.8 プラチナ 4,151 4,352 (17) 4,083 (13) 4,286 +134 パラジウム 4,800 4,900 (17) 4,800 (13) 4,900 -200 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 17 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 1,984.7 +47.0 | ドル・円 150.57 0.80 円高 銀 (12) 2,385.2 +157.1 | 日経平均 33,585.20 +1017.09 プラチナ ( 1) 901.7 +56.1 | NY原油 ( 1) 76.04 -1.11 パラジウム (12) 1,058.90 +80.10 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 17日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは金軟調や景気減速懸念が圧迫要因、とした。 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止見通しや株高を受けて堅調とな った。現物相場は7日以来の高値905.85ドルを付けた。プラチナ先限は7日以来 の高値4352円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は2018年8月以来の安値 948.50ドルを付けたのち、下げ一服となった。 10月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.2%上昇と前月の3.7%から伸 びが縮小し、事前予想の3.3%も下回った。基調的なインフレにも鈍化の兆しが出て いる。米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、米国のインフレ率について、失業率の 大幅な上昇を伴わずに、少なくとも過去40年で最も速いペースで低下していると述べ た。米生産者物価指数(PPI)は同1.3%上昇と前月の2.2%から伸びが縮小 し、事前予想の1.9%も下回った。一方、米小売売上高は前月比0.1%減少した が、事前予想の0.3%減ほど落ち込まなかった。米新規失業保険申請件数は1万 3000件増の23万1000件と事前場予想の22万件を上回った。8月以来の高水 準となり、労働市場を巡る状況が引き続き緩和していることを示唆した。10月の米鉱 工業生産指数は製造業の生産指数が0.7%低下した。全米自動車労組(UAW)のス トライキで自動車生産が抑制され、事前予想の0.3%低下を下回った。CMEのフェ ドウォッチでは、来年5月まで金利が据え置かれ、6月の米連邦公開市場委員会(FO MC)の利下げを織り込んでいる。ただ米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン 副議長は、高インフレがいつまで続くか不確実な場合はインフレ期待を抑制するため、 強力な金融政策が必要になる可能性があるとの見方を示した。 欧州連合(EU)欧州委員会は、ユーロ圏の今年の経済成長予測を下方修正した。た だテクニカルリセッションは回避し、来年には景気が拡大するとしている。今年の経済 成長予測は0.6%。9月時点の予測は0.8%だった。高インフレ、金利上昇、外需 低迷が予想以上に重しになるという。第3四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)改 定値は前期比0.1%減少で速報値から変わらずとなった。前年比では0.1%増加。 高インフレ、過去最高水準の金利、緩やかな財政引き締めが成長を圧迫した。ただ雇用 は底堅さを示した。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏のインフレ率 は今後数カ月で上昇する可能性があるが、政策金利を少なくとも数四半期、現行水準で 維持すればインフレ率を2%に戻すことは可能と述べた。 【欧米のプラチナETF残高が増加】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、15日のロンドンで12.80トン (前週末12.66トン)、16日のニューヨークで30.62トン(同30.33ト ン)に増加、15日の南アで11.39トン(同11.57トン)に減少した。またパ ラジウムETFの現物保有高はロンドンで3.33トン(同3.33トン)、ニューヨ ークで5.72トン(同5.72トン)と変わらず、南アで0.33トン(同0.27 トン)に増加した。欧米のプラチナETF残高が増加した。ドル高一服をきっかけに安 値拾いの買いが入った。ただ一段安となったことを受けて南アで投資資金が流出した。 パラジウムETFは1000ドル台を回復するなか、南アで小口の買いが入った。一 方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、11月7日時点のニ ューヨーク・プラチナの大口投機家の買い越しは6958枚(前週1万0826枚)に 縮小し、パラジウムの売り越しは1万1023枚(同1万0253枚)に拡大した。 【米政府機関の閉鎖回避と米中首脳会談】 ジョンソン米下院議長が提示した新たなつなぎ予算案は14日に米下院、15日に米 上院で可決され、バイデン大統領の署名により成立する。現行のつなぎ予算の期限は 17日までで、政府機関の一部閉鎖は回避されることになった。法案は軍の建設、退役 軍人給付、輸送、住宅、都市開発、農業、米食品医薬品局(FDA)、エネルギー・水 関連プログラム向け資金を来年1月19日まで手当てする。国防費を含むその他の連邦 政府予算は来年2月2日に失効する。一方、バイデン米大統領と中国の習近平国家主席 は1年ぶりの会談で、合成オピオイドのフェンタニルの製造・輸出取り締まりや軍・国 防当局間のハイレベル対話再開で合意した。米大統領は「中国と米国は競争関係にあ る。しかし、私の責任はこの関係を合理的で管理可能なものにし、対立を生まないよう にすることだ。それが私の全てだ」と述べた。ただ「われわれと全く異なる政治形態に 基づく共産主義国家を率いる人物という意味で、習氏は独裁者」と述べており、今後の 米中関係の行方を確認したい。 当面の予定(イベント・経済統計) 20日 独生産者物価指数 2023年10月(連邦統計庁) 米景気先行指数 2023年10月(カンファレンスボード) 21日 米中古住宅販売統計 2023年10月(全米不動産協会) 22日 米耐久財受注 2023年10月速報値(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米消費者信頼感指数 2023年11月確報値(ミシガン大) 米FOMC議事録公表 10月31日-11月1日(FRB) 23日 ●勤労感謝の日、米国(サンクスギビングデー) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年11月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2023年11月速報(Markit) 24日 消費者物価指数 2023年10月(総務省) 独国内総生産 2023年7-9月期確報(連邦統計庁) 独景況感指数 2023年11月(ifo) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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