ゴム週間展望=テクニカルからは売り優勢、4月限は253.3円割れに注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [11月27日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)  先限つなぎ足 11月20日〜12月1日
<国内>         始 値     高 値       安 値      帳入値     前週比
 RSS先限      270.0      272.0(21)   266.0(22)   266.0      -  4.0
  24年4月限      265.1      270.8(20)    258.8(22)   262.9      -  3.3
 TSR20    230.0      230.0(20)    226.0(22)   226.0      -  4.0
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 149.27円  前週末比 1.30 円高
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【前週までのレビュー】一代の高値の奪取に失敗しており、目先は売りが優勢になると
みた。
【期近の乱高下で相場が痛む】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の4月限は、10月19日に付けた一代の高値27
6.6円と11月17日の高値275.6円でダブルトップを形成する可能性が高まっ
てきた。ネックラインは、10月23日と30日の安値253.3円であり、同水準に
は注目したい。
 11月に入り、先月と同様に期近が乱高下したが、10月限ほどの混乱はなく収束し
た。10月限と同様に11月限も乱高下中に、取組高が横ばい、もしくは減少、総出来
高も低迷した。ストップハンティングの動きとみられる。このような値動きは、市場参
加者が痛手を負うことが多く、相場自体が痛んでしまい、最終的には出来高・取組高が
減少する。このため、ファンダメンタルズからの新規の材料が出てこなければ、目先
は、玉次第の展開となり、方向性を欠きそうだ。ただ、テクニカル的には、上値を試し
て失敗しており、下振れしやすい状況である。方向的には下攻めに注意した方がいいだ
ろう。
【上海ゴムはレンジ相場か】
 上海ゴムの中心限月1月限は、下げ一服となりそうだ。1月限は、17日に1万46
05元まで上昇し、節目の1万4500元を上抜いた。だが、同水準で戻り売りを浴び
ると、同日の終値は節目の1万5000元を下抜き、1万4365元となった。日足は
実体の長い陰線となり、その後は売り優勢となり、23日に1万3810元まで下落し
た。現状は、一目均衡表の雲の下限がある1万3800元付近が支持線となっている。
この価格帯は、9月27日の安値1万3760元もあり、支持帯になりそうだ。目先、
1万3800〜1万4500元前後でのレンジ相場になる可能性があるとみる。
【中国自動車販売は前年同月では好調だが】
 10日に中国自動車工業協会(CAAM)が発表した2023年10月の自動車販売
台数は、前年同月比13.8%増の285万3000台となった。このうち、国内販売
台数は236万5000台、輸出台数は48万8000台となり、輸出は3カ月連続で
40万台を超えた。これで今年1〜10月の累計販売台数は、前年同期比9.1%増の
2396万7000台となった。
 ただ、前年は「厳格なゼロコロナ」政策が実施されていた期間が長くあり、この数値
はその反動の面もある。輸出が好調だが、同国の景気の回復には時間を要するとみられ
る。自動車販売の動向を確認するには、「ゼロコロナ政策」が完全に解除された、今年
1月と来年1月の数値を比較する必要があるだろう。
【東京ゴム活発限月の3月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の4月限は、売り優勢となった。直近1カ月の値動きをみ
ると、期近主導で買いが先行し、10月19日に一代の高値となる276.6円まで水
準を引き上げた。10月23日には253.3円まで大きく水準を引き下げたが、10
月26日に268.0円まで戻した。11月に入ると、253〜260円付近で弱持ち
合いとなった。11月9日に終値ベースで260円を上抜くと、再び買い意欲が高ま
り、11月14日に270円台の乗せると、17日には一時275.6円まで水準を引
き上げる場面があった。ただ、同水準では戻り売りを浴び、21日には一時258.8
円まで下落し、その後は260円前後で推移している。
 売りが先行すれば、節目の260円付近がポイントになる。同水準もしっかり下抜く
と、253.3〜260円前後のレンジ相場に押し戻される。その場合は、10月23
日と30日の安値253.3円に注目したい。同水準を割り込むと、10月19日の高
値276.6円と11月17日の高値275.6円でダブルトップが形成され、節目の
250円や240円を目指した下落局面になるとみる。
 一方、買いが先行すれば、270円台回復に注目したい。これに成功すれば、10月
19日に付けた一代の高値276.6円を試そう。一代の高値を更新すれば、節目の2
80円を目指した動きとなろう。
【今週の注目ポイント】
 上海ゴムに注目したい。目先、1万3800〜1万4500元前後でのレンジ相場に
なるとみる。ただ、1万3800元をしっかり割り込むなら、下げ足が速まるので注意
が必要だろう。
【相場予想レンジ】
 11月27日〜12月1日のゴムRSS3号4月限の中心レンジ予想は250〜28
0円。テクニカルの支持線は253.3円(10月23日と30日の安値)、抵抗線は
270.0円(節目)。
 <当面の予定(イベント・経済統計)>
 27日 中国工業利益 2023年10月(国家統計局)
     米新築住宅販売 2023年10月(商務省)
     建玉明細報告(CFTC)
 28日 米ケース・シラー住宅価格指数 2023年9月(S&P)
     米消費者信頼感指数 2023年11月(カンファレンスボード)
 29日 政策金利公表(NZ準備銀行)
     独消費者物価指数 2023年11月速報(連邦統計庁)
     米国内総生産 2023年7-9月期改定値(商務省)
     米卸売在庫 2023年10月速報値(商務省)
     米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
 30日 鉱工業生産指数 2023年10月速報(経済産業省)
     小売業販売額 2023年10月速報(経済産業省)
     ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
     中国製造業購買担当者景況指数 2023年11月(中国物流購買連合会)
     中国非製造業購買担当者景況指数 2023年11月(中国物流購買連合会)
     ユーロ圏消費者物価指数 2023年11月速報(EUROSTAT)
     ユーロ圏雇用統計 2023年10月(EUROSTAT)
     米個人所得・支出 2023年10月(商務省)
     米新規失業保険申請件数(労働省)
     シカゴ購買部協会景気指数 2022年11月(シカゴ購買部協会)
     米中古住宅販売仮契約指数 2023年10月(全米不動産協会)
  1日 労働力調査(失業率) 2023年10月(総務省)
     中国製造業購買担当者景況指数 2023年11月(財新)
     上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
     ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2023年11月確報(Markit)
     米製造業景況指数 2023年11月(ISM)
     建玉明細報告(CFTC)
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