貴金属は、総じて反発して寄り付く見通し。金はニューヨーク高と円安を受けて買い 優勢となろう。銀はニューヨーク安を受けて小幅安となろう。プラチナ系貴金属(PG M)はプラチナがニューヨーク高と円安を受けて堅調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は4.56ドル高の 2026.60ドル、銀が13セント安の2379セント、プラチナが1.90ドル安 の945.00ドル、パラジウムは11.62ドル高の1185.50ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=142.81/83円で、前営業日の 大引け時点から0.54円の円安。 先限の寄り付き目安は、金が9314円前後、銀は110.3円前後、プラチナは 4315円前後、パラジウムは5000円前後。 【NY金は利下げ期待が支援】 金はきのうの海外市場では、金融当局者の早期利下げけん制発言が目立ったが、利下 げ期待を受けて堅調となった。 金は利下げ期待が支援要因になった。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのスト ゥルナラス・ギリシャ中銀総裁は、ECBは2024年半ばまでにインフレ率が安定し て3%を下回ることを確認した上で、利下げに着手する必要があると述べた。ECB理 事会メンバーのバスレ・スロベニア中銀総裁は、政策見通しの見直しは少なくとも春が 終わってからで、3月か4月の利下げという市場の予想は早過ぎると指摘した。米クリ ーブランド地区連銀のメスター総裁は、利下げ時期について金融市場は連邦準備理事会 (FRB)より「やや先走りしている」との見方を示した。米シカゴ地区連銀のグール ズビー総裁は、先週のパウエルFRB議長の発言を受けて、金融市場でFRBが早期か つ迅速に利下げに踏み切るとの見方が急速に高まったことは、米連邦公開市場委員会 (FOMC)の機能とは相反するものと述べた。金融当局者の早期利下げけん制発言が 目立ったが、市場では利下げ期待が強く、来年3月に利下げされるとの見方が残ってい る。 英石油大手BPは、紅海を通過する全ての運航を一時停止したと発表した。イエメン の親イラン武装組織フーシ派による週末の攻撃を受けた措置。原油高に振れており、今 後の行方を確認したい。 銀はきのうの海外市場では、金融当局者の早期利下げけん制発言を受けて戻りを売ら れた。 【NYプラチナはテクニカル要因の買いが入る】 プラチナはきのうの海外市場では、テクニカル要因の買いが入って堅調となったが、 金融当局者の早期利下げけん制発言を受けて上げ一服となった。 プラチナはテクニカル要因の買いが支援要因になった。ニューヨーク市場で時間外取 引の高値を突破し、買い戻された。ただ金融当局者の早期利下げけん制発言が上値を抑 える要因になった。欧州中央銀行(ECB)当局者や米金融当局者のけん制発言が目立 った。一方、上海プラチナの出来高が増加し、中国勢の買い意欲が強いことは下支え要 因である。 <今日の予定> ・総裁記者会見(日本銀行) ・ユーロ圏消費者物価指数 2023年11月確報(EUROSTAT) ・米住宅着工・許可件数 2023年11月(商務省) MINKABU PRESS 東海林勇行
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