貴金属は、金が反発して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク高を受けて買い優勢 となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はニューヨーク安と円高を受けて軟調となろ う。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は10.19ドル高 の2054.30ドル、銀が28セント高の2315セント、プラチナが5.30ドル 安の914.28ドル、パラジウムは13.83ドル安の964.01ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=146.38/40円で、前営業日の 大引け時点から0.50円の円高。 先限の寄り付き目安は、金が9670円前後、銀は110.0円前後、プラチナは 4320円前後、パラジウムは4600円前後。 【NY金はドル安で押し目を買われる】 金はきのうの海外市場では、米新規失業保険申請件数増加やドル安を受けて押し目を 買われた。 金は米新規失業保険申請件数増加やドル安を受けて押し目を買われた。1月のユーロ 圏の消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.8%と、前月の2.9 %から低下した。市場予想と一致した。ただコアインフレ率は予想を上回った。欧州中 央銀行(ECB)は利下げを急がないとの見方が出た。またイングランド銀行は政策金 利を約16年ぶりの高水準である5.25%に据え置いた。ベイリー総裁は「インフレ が目標の2%まで低下し、その水準にとどまるという証拠を利下げ前に見極める必要が ある」と述べた。一方、米新規失業保険申請件数は9000件増の22万4000件と なった。事前予想の21万2000件を上回ったことから、米国債の利回りが低下し、 ドル安に振れた。1月の米ISM製造業景気指数は49.1となった。新規受注の回復 を背景に前月から小幅持ち直したものの、15カ月連続で拡大・縮小の分岐点となる 50を下回った。 米商業銀行のニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)株は続落。ウォ ール街のアナリストで少なくとも5人が投資判断を引き下げ、格付け会社ムーディー ズ・インベスターズ・サービスは同行の格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。た だ米商業銀行シチズンズ・ファイナンシャル・グループのブルース・バンソーン最高経 営責任者(CEO)は、NYCBの問題は例外だと述べた。同氏は、昨年の金利上昇と 預金シフトは、おおむね対応済みだと指摘した。シチズンズでは商業用不動産のローン 債権は「かなり良好のようだ」とし、「オフィス復帰のペースが減速している傾向」と 高金利を考慮すると、最大の懸念はオフィス物件だと述べた。 銀はきのうの海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退が圧迫要 因になったが、米新規失業保険申請件数増加やドル安を受けて押し目を買われた。 【NYプラチナは米利下げ観測後退や中国経済に対する懸念が圧迫】 プラチナはきのうの海外市場では、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退や 中国経済に対する懸念を受けて売り優勢となった。 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測後退や中国経済に対する懸念が 圧迫要因になった。欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行も利下げを急がないと みられている。1月の中国の新築住宅販売額が急減した。中国政府は今年も景気対策の 支出を続けると表明したが、中国恒大集団の清算命令で先行き懸念が残っている。 <今日の予定> ・米雇用統計 2024年1月(労働省) ・米製造業新規受注 2023年12月(商務省) ・米消費者信頼感指数 2024年1月確報値(ミシガン大) ・建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行
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