【前週までのレビュー】産地はウィンタリングを控えていることから、産地価格が大き く崩れる可能性は低く、JPXゴムRSS3号は上値を模索する可能性が高いとした。 【調整安場面】 JPXゴムRSS3号の活発限月の8月限は、急伸後に調整安場面となった。19日 に364.0円まで上昇したが、22日に335円近辺まで押し戻されている。11日 から急騰は投機的な色彩が強かった。急騰した18日以降は、売りが先行しているが、 活発限月の8月限は19日、20日と取組高が増加している。22日に大幅安となって いることから、19、20日は新規売りよりも、押し目を拾う動きが多かった。22日 は投げ売りが出たとみる。産地相場も上げ一服となっており、目先、売りが先行する可 能性が高そうだ。 【産地相場は上げ一服】 タイの現物価格の上昇が一服となっている。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソ ンクラ渡しのオファー価格は19日に98.49バーツ(約409.72円)まで上昇 したが、その後は地合いを緩め、21日は96.27バーツ(約400.48円)が提 示された。月初は82.61バーツ(約343.68円)だったので、依然として高値 圏にはあるものの、節目の100バーツ手前で伸び悩みをみせている。 産地は目先、ウィンタリング(落葉期=減産期)に入る。通常、タイでは、水祭り (ソンクラーン)明けの時期が、供給が一番細る。今年のソンクラーンは4月12〜1 6日である。ソンクラーンまで1カ月を切ったことから、ウィンタリングはかなり織り 込まれた可能性がある。産地相場が本格的に直近の上昇に対する調整となれば、JPX ゴムRSS3号も水準を引き下げることになる。 【上海ゴムは一代の高値更新後に急反落】 上海ゴムは19日に急伸した後、調整安場面となっている。中心限月の5月限は、1 5日にそれまでの一代の高値1万4850元を上抜くと、19日には1万5805元ま で急伸した。だが、同水準で切り返されると、同日は陰線引けとなり、22日には1万 4800元も下抜いており、急反落となっている。15日からの急騰は、投機的な色彩 が強かった。産地相場も軟化を開始したことから、目先、15日からの急騰が往って来 いとなる節目の1万4500元を視野に入れた展開となりそうだ。 【東京ゴム活発限月の8月限のテクニカル要因】 ゴムRSS3号の活発限月の8月限は、急伸後、調整場面となっている。3月に入っ てからの値動きをみると、7日までは300円前後で小動きとなった。だが、8日に大 陽線を付けて、313円台まで上昇。その後は産地相場のスパイラル的な上昇となり、 青天井の様相を呈すると、連日、一代の高値を更新し、18日には364.0円台まで 水準を引き上げた。だが、同水準で上値が重くなると、一転して売りが先行し、22日 には336.0円まで下落した。 売りが先行すれば、節目の330円前後が支持になる。同水準を割り込むと、320 円前後を目指すとみる。 一方、買い優勢となれば、350円台回復が最初の関門。同水準を突破すれば、節目 の360円や一代の高値364.0円が視野に入る。 【今週の注目ポイント】 JPXゴムRSS3号は、産地相場に注目したい。青天井の様相を呈していた産地相 場が、20日から水準を引き下げている。一時的な調整安の可能性があるが、産地相場 が本格的な水準調整となれば、JPXゴムRSS3号も売り圧力にさらされることにな る。 【相場予想レンジ】 3月25〜29日のJPXゴムRSS3号8月限の中心レンジ予想は320〜360 円。テクニカルの支持線は350.0円(節目)、抵抗線は330.0円(節目)。 MINKABU PRESS ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。
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