<金> NY金4月限は8日に2203ドルまで値を伸ばした後に軟化しながらも2150ド ルを支持線にして高もみが続いている。21日に2225.3ドルと一代高値に達しな がらも大きく上げ幅を縮小し2183.3ドルで終えたことで目先の高値確認感も強ま っている。 19〜20日にかけて開催された米公開市場委員会(FOMC)では金利の据え置き が決定されたものの、2024年末時点の予想金利は4.6%で年内に3回の利上げが 想定される水準だったことが利下げ期待を高めている。 米国の経済指標は強弱入り混じる内容であり、NY原油の上昇もインフレ再燃を警戒 させる要因ながら、FRBが金融緩和の方向性に向いた姿勢を改めて示したことはNY 金にとっての下支え要因になる。 今後は利下げ着手を織り込み、その開始の時期がいつになるかが注目要因となるなか での高下が続くと見られるが、年内3回の利下げが現時点では濃厚視されるなかで金は 底意の強い足取りが続くと見られる。 ただ、ファンド筋を含む大口投機家の買い越し数は3月12日時点ではすでに20万 枚に達しているほか、取組高も50万枚に達しており、これまでの上昇でファンド筋を 含む大口投機家の買いが一巡した可能性がある。既に利下げ着手を織り込んだこともあ って、ここから先、さらに上昇するには手掛かりは乏しい。NY金4月限は2150〜 2200ドルのレンジを中心にしての高下となりそうだ。 <銀> NY銀5月限は金に追随する形で浮上し、21日の取引では2597.50セントま で上昇したが一気に値を崩して終値ベースでは2500セントを割り込んでいる。この 動きで目先の買いが一巡した可能性が高い。 金の底堅い足取りが見込まれるため、2500セントを大きく割り込んでいく可能性 は低いながら、安全資産かつインフレヘッジとしての役割を持つ金に比べると下値は弱 く、上値を圧迫される中でのもちあいが見込まれる。 <白金> NY白金4月限は15日野取引で956.9ドルに達したがその後は崩れ、20日に は891.5ドルを記録。その後に反発に転じて911.1ドルで21日の取引を終え たが、この動きで目先の売りが一巡した感が強い。 とはいえ、2024年の需給引き締まり観測もすでに織り込んでおり、手掛かりとな る独自の材料には乏しい。上昇したところではパラジウムとの価格差が意識されること もあって上げ余地も限られると見られる。上げ一巡後というチャート面からも、同値圏 での往来にシフトすると予想される。 <パラジウム> NYパラジウム6月限は15日野取引で1120ドルまで上昇したが、その後は軟化 に転じて19日には1000ドルを割り込んだ。この水準で買い拾われながらも、 1000ドルを超えるとすぐに戻り待ちの売りが見られるなど上昇に対する抵抗も強 い。 白金との価格差が意識されるなかでの高下が続くと予想されるが、独自の材料に乏し いだけに大きな値動きは想定し難く1000ドル台前半での高下になりそうだ。 MINKABU PRESS
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