ゴム週間見通し=戻り場面、9月限は330円付近の攻防に注目

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】 産地相場が上げ一服となったことや、3月中旬からの急騰場
面は投機的色彩が強かったことから、調整安場面になるとみる。
【戻りを試す】
 JPXゴムRSS3号の活発限月の9月限は、急伸後に調整安場面となっていたが、
3月26日に313.2円まで下落後、戻りを試している。330円前後では、戻りが
やや鈍くなっており、同水準をしっかり終値ベースでしっかり上抜くかがポイントにな
る。330円超えが成功すれば、再度、上値を試しそうだ。一方、330円付近が強
い抵抗となれば、3月8日からの上昇のスタートとなった300円付近を目指して、再
度、地合いを緩めるとみる。
 総取組高の推移をみると、納会の影響もあろうが、再び増加に転じている。新規の買
いが入っているとみられ、戻りを試しやすい状況になっている。
【産地相場は再度上昇か】
 タイの現物価格の下げ一服となっている。タイ南部の天然ゴム主要積み出し港のソン
クラ渡しのオファー価格は3月19日に98.49バーツ(約409.72円)まで上
昇したが、その後は地合いを緩め、3月27日には91.05バーツ(約400.48
円)が提示された。だが、同水準では買い意欲が強く、28日には91.38バーツに
上昇するなど、91バーツ台で下げ渋りをみせている。
 産地は目先、ウィンタリング(落葉期=減産期)に入るが、相場はウィンタリングを
ほぼ織り込んでいるとみる。織り込んでも、なお90バーツ台が維持できるなら、再
度、オファー価格が上昇しそうだ。
【上海ゴムは反発開始か】
 上海ゴムは3月19日に急伸した後、修正安場面となっていたが、その動きも落ち着
いてきた。中心限月の9月限は、3月19日に1万5820元まで上昇し、一代の高値
を更新した。だが、同水準で切り返されると、同日は陰線引けとなり、3月22日には
節目の1万5000元を下抜くと、3月28日には1万4315元まで下落し、3月1
4日からの急伸を帳消しにした。これにより、3月29日は反発を開始している。3月
14日からの急騰は、投機的な色彩が強かったが、往って来いとなったことで、ウィン
タリングを控えて、再度、地合いを引き締める可能性がある。
【東京ゴム活発限月の9月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の9月限は、急落後、戻り場面となっている。3月に入っ
てからの値動きをみると、7日までは300円前後で小動きとなった。だが、8日に大
陽線を付けて、313円台まで上昇。その後は産地相場のスパイラル的な上昇となり、
青天井の様相を呈すると、連日、一代の高値を更新し、18日には360.0円台まで
水準を引き上げた。だが、同水準で上値が重くなると、一転して売りが先行し、26日
には313.2円まで急落した。その後は、戻り歩調となり、330円前後まで水準を
引き上げている。
 買い優勢となれば、330円台を終値ベースでしっかり回復できるかに注目したい。
これに成功すれば、戻りを試す展開となり、節目の340円や350円が意識される。
 一方、売りが先行すれば、節目の320円前後が支持になる。同水準を割り込むと、
3月26日の安値313.2円を目指すとみる。
【今週の注目ポイント】
 JPXゴムRSS3号は、産地相場に注目したい。青天井の様相を呈していた産地相
場が、20日から水準を引き下げた。だが、その動きも落ち着き始めている。産地相場
が、再度地合いを引き締めれば、JPXゴムRSS3号も戻りを試す展開になる。
【相場予想レンジ】
 4月1〜5日のJPXゴムRSS3号9月限の中心レンジ予想は310〜340円。
テクニカルの支持線は313.2円(3月26日安値)、抵抗線は335.0円(節
目)。
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