[4月22日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 2 月限 4 月 15 日〜 4 月 19 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 11,809 11,983 (19) 11,508 (15) 11,837 +75 銀 144.0 144.4 (19) 140.0 (15) 141.0 -0.5 プラチナ 4,935 4,957 (15) 4,632 (18) 4,668 -244 パラジウム 5,200 5,200 (15) 5,100 (19) 5,100 -100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 19 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 6) 2,413.8 +39.7 | ドル・円 154.37 1.13 円安 銀 ( 5) 2,884.4 +51.4 | 日経平均 37,068.35 -2455.20 プラチナ ( 7) 943.8 -57.9 | NY原油 ( 5) 83.14 -2.52 パラジウム ( 6) 1,026.40 -33.10 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 19日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は中国勢の買いや欧米の利下げ見通しで堅調、とした。 金はイランのイスラエルに対する報復攻撃を受けて押し目を買われたが、パウエル米 連邦準備理事会(FRB)議長が利下げ先送りの見方を示したことに上値を抑えられ た。ただイスラエルがイランの拠点などをミサイルで攻撃すると、再び上値を試した。 現物相場は12日に付けた史上最高値2430.76ドルから上げ一服となったが、イ スラエルのミサイル攻撃をきっかけに2400ドル台を回復した。金先限は上場来高値 1万1983円を付けた。 地政学的リスクの高まりが金の支援要因になった。イランは13日夜、イスラエルに 対し、ドローンとミサイル合わせて300余りを発射した。99%が迎撃され、死者は 出なかった。イスラエルの戦時内閣は閣議で対抗措置を取る姿勢を示したが、米国は対 抗措置に参加しないと伝えた。また各国から自制を求める声が多く出るなか、ネタニヤ フ首相が17日、バイデン米大統領と電話協議したのち、計画を実行に移さないことを 決めた。またイスラエルの報復について、22日から約1週間続くユダヤ教の重要な祝 祭「過ぎ越しの祭り」が終わるまでは実施する可能性が低いとの見方が出た。一方、イ ランはイスラエルに対し、自国の核施設を攻撃しないようけん制し、攻撃を受ければ相 応の報復措置を講じる構えを示した。ただ19日にイスラエルがミサイル攻撃をし、イ ラン、シリア、イラクで同時爆発と伝えられた。イランで爆発音があったのは空港近く とされ、周辺には核施設もある。ただ無事であると伝えられた。ただイラン当局者は爆 発音は防空システムが作動したことによるものとし、ミサイル攻撃はないとした。イラ ンの報道と対応を確認したい。イスラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラの戦闘も 激化した。イスラエル軍は16日、レバノン南部への空爆でヒズボラの司令官2人を含 むメンバー3人を殺害したと発表した。ヒズボラは17日、イスラエル北部の村をドロ ーン(無人機)で攻撃し、イスラエル軍と民間人18人が負傷した。 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、予想を上回るインフレ率を示す一連の 経済指標を受け、米FRBがインフレ2%回帰を確信するにはこれまで予想していたよ りも長い時間が必要になる可能性が高いとの見解を示した。またニューヨーク連銀のウ ィリアムズ総裁は、利下げを急ぐ必要はないとし、開始時期は経済データに基づいて判 断すべきとの考えを示した。3月の米小売売上高は前月比0.7%増となり、オンライ ン売上高の急増を背景に事前予想の0.3%増を上回った。米鉱工業生産指数は製造業 の生産指数が前月比0.5%上昇した。自動車組立工場の生産量の増加などを背景に事 前予想の0.3%上昇を上回った。CMEのフェドウォッチで、米FRBの利下げ時期 は9月以降となり、年内1回の利下げの可能性が高まった。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は18日時点で 1018.52トンとなり、前週末比0.35トン増加した。米国で0.87トン増 加、英GBSで0.13トン、英ETFSで0.31トン、オーストラリアで0.03 トン、南アで0.06トン減少した。地政学的リスクの高まりで逃避買いが入ったが、 ドル高を受けて利食い売りも出た。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明 細報告によると、4月9日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは20万24 19枚となり、前週の20万7250枚から縮小した。今回は手じまい売りが1600 枚、新規売りが3231枚出て4831枚買い越し幅を縮小した。 上海金の出来高が引き続き増加し、中国勢の買いが続いている。ただ16日以降は出 来高が減少し、買いが一服した。不動産不況に対する懸念から金の投資意欲が強い。た だこれまでの高騰で業者が在庫補充を見送っていることが伝えられた。一方、バンク・ オブ・アメリカのファンドマネージャーに対する調査によると、ファンドマネージャー の26%が金は割高であると回答した。ただ一部のアナリストは、大口投機家の買い越 しが2020年に記録した過去最高35万3649枚を大きく下回っていることから、 投機的な買い余地があると指摘した。また金ETF(上場投信)への投資は最近の価格 上昇にもかかわらず、控えめであるとした。金価格が天井を付けたと言えるほど、金市 場で大衆の買いが入っていないとの見方も示された。米連邦準備理事会(FRB)の利 上げ観測が後退しており、短期的には調整局面を迎える可能性があるが、各国中銀の利 下げサイクルへの転換が始まったばかりであることを考えると、中長期で上値を試すこ とになりそうだ。 【銀は金急伸につれ高も上げ一服】 銀の現物相場は金急伸につれ高となり、2021年2月以来の高値29.77ドルを 付けたのち、上げ一服となった。地政学的リスクの高まりが支援要因になったが、米連 邦準備理事会(FRB)の利下げ先送りの見方に上値を抑えられた。シルバー・インス ティチュートのワールドシルバーサーベイで、2024年の銀は6695トンの供給不 足となり、2022年の8195トンに続いて過去2番目の不足幅となる見通しとなっ た。工業用需要が前年比9%増の2万2110トンと過去最高を更新する見通しであ る。 18日のニーヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比477.72ト ン減の1万3019.00トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の 建玉明細報告によると、4月9日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは5万 3212枚となり、前週の5万3147枚から小幅拡大した。新規買いが新規売りを上 回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 22日 英住宅価格指数 2024年4月(ライトムーブ) 23日 ●トルコ(国民主権と子供の日) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年4月速報(Markit) ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2024年4月速報(Markit) 米新築住宅販売 2024年3月(商務省) 24日 貴金属取引 2024年4月限納会(大阪取引所) 独景況感指数 2024年4月(ifo) 米耐久財受注 2024年3月速報値(商務省) 25日 ●ニュージーランド、オーストラリア(アンザック記念日) 貴金属取引 2025年4月限発会(大阪取引所) 金融政策決定会合(日本銀行、26日まで) 米国内総生産 2024年1-3月期速報値(商務省) 米卸売在庫 2024年3月速報値(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売仮契約指数 2024年3月(全米不動産協会) 26日 総裁記者会見(日本銀行) 米個人所得・支出 2024年3月(商務省) 米消費者信頼感指数 2024年4月確報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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