貴金属は、金が小反落して寄り付く見通し。金と銀はドル建て現物相場の下落を受け て売り優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク高を受け て堅調となろう。 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は3.22ドル安の 2335.19ドル、銀が51セント安の2709セント、プラチナが27.20ドル 高の948.80ドル、パラジウムは13.20ドル安の976.15ドル。 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=156.19/21円で、前営業日の 大引け時点から0.21円の円安。 先限の寄り付き目安は、金が1万1725円前後、銀は137.3円前後、プラチ ナは4740円前後、パラジウムは5000円前後。 【NY金はドル高一服が支援】 金はきのうの海外市場では、ドル高一服が支援要因となったが、利食い売りなどが出 て上げ一服となった。 金はドル高一服が支援要因になった。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で禁 裏据え置きが見込まれており、ドル高が一服した。3月の米個人消費支出(PCE)価 格指数は前年比2.7%上昇と前月の2.5%上昇や事前予想の2.6%上昇を上回っ た。インフレの高止まりを受けて利下げ先送りの見方が示されるとみられている。 ブリンケン米国務長官は、イスラム組織ハマスに対し、パレスチナ自治区ガザでの停 戦と人質解放に向けたイスラエルの提案に合意するよう呼びかけた。イスラエルは27 日、段階的停戦案を提示した。イスラエルで収監されているパレスチナ人の釈放と引き 換えに、40人以下の人質解放に応じるほか、「平穏持続期間」を含む休戦の第2段階 への合意が含まれているという。 日銀金融政策決定会合で現状維持が決定されたことや、植田日銀総裁の発言を受けて 円安が加速したが、週明けに財務省の介入とみられる円買いが入って円安が一服した。 円相場は一時1ドル=160円台と34年ぶりの円安水準となったが、154円台半ば まで戻した。介入が続くと、JPX金の圧迫要因になるとみられる。 銀はきのうの海外市場では、ドル高一服が支援要因になったが、利食い売りが出て上 げ一服となった。 【プラチナは買い戻し主導で上昇】 プラチナはきのうの海外市場では、買い戻し主導で堅調となった。 プラチナは900ドル直前で下げ止まるなか、買い戻し主導で上昇した。米連邦準備 理事会(FRB)の利下げ観測後退に変わりはないが、CFTC建玉明細報告でニュー ヨーク市場で大口投機家の手じまい売り、新規売りが出て買い越しを縮小しており、買 い戻しが入った。また中国勢のまとまった安値拾いの買いが入った。買い戻しが続く と、1000ドル付近まで上昇する可能性があるが、レンジ内の動きが続くとみられ る。 <今日の予定> ・労働力調査(失業率) 2024年3月(総務省) ・鉱工業生産指数 2024年3月速報(経済産業省) ・小売業販売額 2024年3月速報(経済産業省) ・中国製造業購買担当者景況指数 2024年4月(中国物流購買連合会) ・中国非製造業購買担当者景況指数 2024年4月(中国物流購買連合会) ・中国製造業購買担当者景況指数 2024年4月(財新) ・ユーロ圏国内総生産 2024年1-3月期速報(EUROSTAT) ・ユーロ圏消費者物価指数 2024年4月速報(EUROSTAT) ・米雇用コスト指数 2024年1-3月期(労働省) ・米ケース・シラー住宅価格指数 2024年2月(S&P) ・シカゴ購買部協会景気指数 2024年4月(シカゴ購買部協会) ・米消費者信頼感指数 2024年4月(カンファレンスボード) ・米連邦公開市場委員会(FRB、1日まで) MINKABU PRESS 東海林勇行
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