[今日の視点]石油=上昇へ、イスラエル軍の動きに警戒感

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 国内市場は上昇へ。中心限月の2024年9月限で700〜1000円高程度を想定
する。イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦協議が合意に至るのか不透明であること
が海外原油を支えた。イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ南部のラファとエジプトを
つなぐ検問所付近を制圧してパレスチナ人の逃げ道を封鎖しており、ラファへの地上侵
攻が始まる可能性が意識された。円相場が1ドル=155円半ばで円安・ドル高推移し
ていることも支援要因。
 イスラエル軍がラファ検問所付近を制圧することはエジプトにとって宣戦布告である
とエジプトのシシ大統領は述べていたが、国境沿いに配備されているエジプト軍に動き
は見られず、中東情勢の緊迫感が再び高まるような気配は限定的である。ラファに集ま
っている120万人規模のパレスチナ人のうち、約半数が子供であるとみられており、
イスラエル軍が地上戦を拡大させるとイスラエルに対する反感は間違いなく高まるが、
パレスチナ情勢に直接的に介入する国が出てきて一気に緊迫化するとは現実的ではな
い。イランが中東の軍事大国となり存在感を強めているほか、サウジアラビアはパレス
チナ国家の樹立を引き続き目指しているとしても、イスラエルの行動を止めようがない
のではないか。パレスチナ情勢がさらに緊迫化しても、原油相場を押し上げない可能性
は想定しておくべき。
 時間外取引でニューヨーク原油6月限は前日比0.17ドル高の79.16ドルで取
引されている。本日これまでのレンジは79.13〜79.25ドル。
<今日の予定>
◆ 日本 ◆
【経済】14:00 景気動向指数 2024年3月速報(内閣府)
【工業】12:00 原油・石油製品供給統計週報(石油連盟)
【工業】14:00 石油製品給油所小売価格調査(資源エネルギー庁)
◆ 中国 ◆
【経済】--:-- 貿易収支 2024年4月(税関総署)
◆ フランス ◆
【休日】--:-- キリスト昇天祭
◆ イギリス ◆
【経済】20:00 政策金利公表(BOE)
【経済】20:00 金融政策委員会議事録 5月8日分(BOE)
【経済】--:-- 金融政策報告(BOE)
◆ スイス ◆
【休日】--:-- キリスト昇天祭
◆ アメリカ ◆
【経済】21:30 新規失業保険申請件数(労働省)
【農産】21:30 週間穀物輸出成約高(USDA)
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