[7月29日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 6 月限 7 月 22 日〜 7 月 26 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 12,276 12,293 (22) 11,621 (25) 11,745 -563 銀 152.0 152.0 (22) 135.6 (25) 140.0 -12.0 プラチナ 4,919 4,961 (22) 4,588 (26) 4,667 -258 パラジウム 4,700 4,700 (22) 4,600 (23) 4,600 -100 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 26 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 2,427.9 -18.9 | ドル・円 153.60 4.20 円高 銀 ( 9) 2,802.0 -127.9 | 日経平均 37,667.41 -2396.38 プラチナ (10) 944.4 -29.5 | NY原油 ( 9) 77.16 -1.48 パラジウム ( 9) 886.90 -15.40 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 26日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待と中国経済の先行き懸念でもみ 合い、とした。 プラチナはドル高や金急落を受けて売り優勢となった。現物相場は4月29日以来の 安値928.40ドルを付けた。プラチナ先限は円高も圧迫要因となり、4月30日以 来の安値4588円を付けた。一方、パラジウムの現物相場は6月19日以来の安値 889.00ドルを付けたのち、買い戻されて下げ一服となったが、ドル高や他の貴金 属の急落を受けて戻りを売られた。 6月の米新築一戸建て住宅販売戸数は年率換算で前月比0.6%減の61万7000 戸と、昨年11月以来の低水準となった。事前予想は64万戸。米連邦準備理事会(F RB)の利下げ期待を受けてドル安に振れた。ただ7月の米総合購買担当者景気指数 (PMI)速報値は55.0と2022年4月以来の高水準となった。6月は 54.8。また7月のユーロ圏のHCOB総合PMI速報値は50.1となり、前月の 50.9から予想外に低下した。欧州中央銀行(ECB)の9月利下げの見方が強いな か、ドル安は一服した。第2四半期の米国内総生産(GDP)速報値は前期比2.8% 増となり、事前予想の2.0%増を上回った。個人消費と設備投資の堅調な伸びを背景 に、成長率は第1四半期の1.4%から加速した。コア個人消費支出(PCE)価格指 数は2.9%上昇した。事前予想の2.7%上昇を小幅に上回ったものの、第1四半期 の3.7%上昇から伸びが鈍化した。CMEのフェドウォッチでは、米FRBの9月利 下げを織り込んでいる。ただ米大統領選でトランプ氏が勝利すればインフレとの見方が 出ている。バイデン米大統領は大統領選からの撤退を表明し、ハリス副大統領が民主党 の大統領候補となる見通しとなった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金 利据え置きが見込まれており、金利見通し(ドット・プロット)が焦点である。前回と 同様に年1回の利下げ見通しとなれば金主導で調整局面を継続する可能性がある。 【プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまち】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、24日のロンドンで24.74トン (前週末24.67トン)に増加、25日のニューヨークで31.64トン(同 31.64トン)と変わらず、24日の南アで11.36トン(同11.48トン)に 減少した。またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.18トン(同4.14 トン)、ニューヨークで9.12トン(同9.05トン)に増加、南アで0.33トン (同0.33トン)と変わらずとなった。プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまちの 動きとなった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を受けてロンドンで安値拾い の買いが入る一方、テクニカル面の悪化を受けて南アで手じまい売りが出た。一方、パ ラジウムETF残高は欧米で増加し、安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引 委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月16日時点のニューヨーク・プラチ ナの大口投機家の買い越しは2万1948枚(前週2万2666枚)に縮小、パラジウ ムの売り越しは1万0451枚(同9557枚)に拡大した。 【中国人民銀行の予想外の利下げで先行き懸念】 中国人民銀行は22日、経済成長を後押しするため、主要な短期政策金利である7日 物リバースレポ金利と銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレー ト、LPR)を予想外に引き下げた。また融資プログラムにも調整を加え、中期貸出フ ァシリティー(MLF)融資の担保要件を今月から引き下げると発表した。第2四半期 の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比4.7%増と事前予想の5.1%増を下回 っており、中国経済の先行き懸念が強まった。また25日に中期貸出制度(MLF)の 1年物金利を2.5%から2.3%に引き下げると、金に手じまい売りが出てプラチナ の圧迫要因になった。ただ中国政府は、景気浮揚策の一環として、設備更新や車・家電 製品などの買い替えを支援するため、3000億元の超長期国債の発行により調達した 原資を充てると発表した。中国経済の行方も引き続き確認したい。 当面の予定(イベント・経済統計) 29日 英マネーサプライ 2024年6月(BOE) 30日 労働力調査(失業率) 2024年6月(総務省) 金融政策決定会合(日本銀行、31日まで) 独国内国内総生産 2024年4-6月期速報(連邦統計庁) 独消費者物価指数 2024年7月速報(連邦統計庁) ユーロ圏域内総生産 2024年4-6月期速報(EUROSTAT) 米ケース・シラー住宅価格指数 2024年5月(S&P) 米消費者信頼感指数 2024年7月(カンファレンスボード) 米連邦公開市場委員会(FRB、31日まで) 31日 鉱工業生産指数 2024年6月速報(経済産業省) 小売業販売額 2024年6月速報(経済産業省) 総裁記者会見(日本銀行) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年7月(中国物流購買連合会) 中国非製造業購買担当者景況指数 2024年7月(中国物流購買連合会) 独雇用統計 2024年7月(連邦雇用庁) ユーロ圏消費者物価指数 2024年7月速報(EUROSTAT) 全米雇用報告 2024年7月(ADP) 米雇用コスト指数 2024年4-6月期(労働省) シカゴ購買部協会景気指数 2024年7月(シカゴ購買部協会) 米中古住宅販売仮契約指数 2024年6月(全米不動産協会) 米FOMC声明文公表(FRB) 1日 ●スイス(建国記念日) 中国製造業購買担当者景況指数 2024年7月(財新) ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2024年7月確報(Markit) ユーロ圏雇用統計 2024年6月(EUROSTAT) 英中銀政策金利公表(BOE) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米製造業景況指数 2024年7月(ISM) 2日 米雇用統計 2024年7月(労働省) 米製造業新規受注 2024年6月(商務省) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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