[8月12日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2025 年 6 月限 8 月 5 日〜 8 月 9 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 11,847 11,863 ( 5) 10,804 ( 6) 11,463 -399 銀 139.5 139.5 ( 5) 123.3 ( 6) 126.1 -13.9 プラチナ 4,700 4,712 ( 5) 4,129 ( 6) 4,425 -265 パラジウム 4,200 4,400 ( 9) 4,100 ( 7) 4,400 -200 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 8 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 (12) 2,463.3 -6.5 | ドル・円 147.10 1.99 円高 銀 ( 9) 2,760.6 -78.6 | 日経平均 35,025.00 -884.70 プラチナ (10) 939.9 -27.7 | NY原油 ( 9) 76.19 +2.67 パラジウム ( 9) 908.40 +25.90 |* ドル・円は15時15分現在、原油は 8日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前週のレビュー】 プラチナはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が9月利下げの可能性を示唆し たが、景気減速懸念が上値を抑える、とした。 プラチナはリスク回避の動きを受けて週明けに急落したが、米ISM非製造業総合指 数の上昇が下支えとなった。その後は米国債の利回り上昇に上値を抑えられたが、米新 規失業保険申請件数の減少で市場に安心感が戻ると、下げ一服となった。現物相場は4 月25日以来の安値906.00ドルを付けたのち、下げ一服となった。プラチナ先限 は円高も圧迫要因となり、昨年11月以来の安値4129円を付けた。一方、パラジウ ムの現物相場は2017年7月以来の安値831.03ドルを付けたのち、下げ一服と なった。 予想以下の米雇用統計を受けて景気減速懸念が高まった。ただ週明けの世界的な株安 に関して、日経平均株価の急落は米雇用統計では説明できないとされ、円キャリートレ ードの巻き戻しの影響が指摘された。日銀金融政策決定会合で利上げが決定され、植田 日銀総裁は記者会見で、政策金利について0.5%が壁になるとは認識していないと述 べた。ただ内田日銀副総裁は株価や為替相場が不安定な状況で利上げは行わず、当面は 現行の金融緩和を維持するとの考えを示した。一方、UBSのアナリストは、円キャリ ートレードの巻き戻しについて、6日時点で50%程度完了したと推定し、まだ続くと の見通しを示した。 7月の米雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比11万4000人増とな り、事前予想の17万5000人増を下回った。失業率は4.3%と前月の4.1%か ら上昇し、2021年9月以来の高水準となった。米雇用統計を受けて予想以上に景気 減速が進んでいるとの懸念が高まった。ただ7月の米ISM非製造業総合指数は 51.4と前月の48.8から上昇し、活動拡大を示した。また米新規失業保険申請件 数は、前週比1万7000件減の23万3000件と約11カ月ぶりの大幅な減少とな った。労働市場に対する懸念が後退し、市場に安心感が戻った。米リッチモンド地区連 銀のバーキン総裁は、米労働市場の減速は解雇の増加ではなく雇用の伸び鈍化によるも のとし、米連邦準備理事会(FRB)には次の一手を見極める余地が残されているとい う認識を示した。また「今後数カ月でインフレに関し良好なデータが出てくるとかなり 楽観している」と述べた。来週は7月の米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高の 発表がある。 【プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまち】 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、7日のロンドンで21.53トン(前 週末24.82トン)に減少、8日のニューヨークで31.77トン(同31.64ト ン)に増加、7日の南アで11.36トン(同11.36トン)と変わらずとなった。 またパラジウムETFの現物保有高はロンドンで4.35トン(同4.21トン)、ニ ューヨークで9.29トン(同9.26トン)に増加、南アで0.33トン(同 0.33トン)と変わらずとなった。プラチナETF残高は銘柄ごとにまちまちの動き となった。欧米のパラジウムETFに安値拾いの買いが入った。一方、米商品先物取引 委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月30日時点のニューヨーク・プラチ ナの大口投機家の買い越しは1万4314枚(前週1万2208枚)に拡大、パラジウ ムの売り越しは1万3091枚(同1万2255枚)に拡大した。 【中国の自動車販売台数は4カ月連続で減少】 7月の中国の貿易収支は846億ドルの黒字となった。輸出は前年比7.0%増の 3005億ドルと4カ月連続のプラスとなった。パソコンや関連部品の出荷が伸びた。 輸入は同7.2%増の2159億ドルと2カ月ぶりにプラスに転じた。一方、中国乗用 車協会(CPCA)が発表した7月の自動車販売台数は全体で173万台の前年比 3.1%減となり、4カ月連続で減少した。不動産市場の危機が長びいて景気が勢いを 欠き、消費者信頼感が低迷している。電気自動車(EV)など新エネルギー車の比率は 50.7%となった。米エネルギー情報局(EIA)によると、第1四半期の米自動車 販売に占めるEVとハイブリッド車の割合は18%だった。ただ今回の急落場面で上海 プラチナの出来高が急増した。中国勢の安値拾いの買い意欲が強いことは下支えであ る。 当面の予定(イベント・経済統計) 12日 ●振替休日 米財政収支 2024年7月(財務省) 13日 企業物価指数 2024年7月(日本銀行) 英雇用統計 2024年7月(国立統計局) 独景況感指数 2024年8月(ZEW) 米生産者物価指数 2024年7月(労働省) 14日 政策金利公表(NZ準備銀行) 英消費者物価指数 2024年7月(国立統計局) ユーロ圏国内総生産 2024年4-6月期改定(EUROSTAT) ユーロ圏鉱工業生産 2024年6月(EUROSTAT) 米消費者物価指数 2024年7月(労働省) 15日 ●フランス(聖母昇天祭) 国内総生産 2024年4-6月期1次速報 (内閣府) 中国住宅価格指数 2024年7月(国家統計局) 中国小売売上高 2024年7月(国家統計局) 中国鉱工業生産 2024年7月(国家統計局) 英国内総生産 速報値 2024年4-6月期(国立統計局) 英鉱工業生産指数 2024年6月(国立統計局) 米小売売上高 2024年7月(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米輸出入物価指数 2024年7月(労働省) 米製造業景況指数 2024年8月(ニューヨーク連銀) 米製造業景況指数 2024年8月(フィラデルフィア連銀) 米鉱工業生産・設備稼働率 2024年7月(FRB) 米企業在庫 2024年6月(商務省) 対米証券投資 2024年6月(財務省) 16日 英小売売上高 2024年7月(国立統計局) ユーロ圏貿易収支 2024年6月(EUROSTAT) 米住宅着工・許可件数 2024年7月(商務省) 米消費者信頼感指数 2024年8月速報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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