米経済指標が予想上回りドル買い ただ、ドル円は上値抑えられる=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
米経済指標が予想上回りドル買い ただ、ドル円は上値抑えられる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、この日発表の米経済指標が予想を上回る内容となったことでドル買いの反応が見られ、ドル円は一時158円台半ばまで上昇した。

 11月の米求人件数と12月のISM非製造業景気指数が発表になったが、米求人件数は5月以来の水準に上昇し、全体の労働力に対する求人の割合を示す求人率も4.8%に上昇。離職率は1.9%に低下し、米労働者は転職を躊躇していることが引き続き示された。ISM指数も予想以上に上昇し、仕入れ価格が23年2月以来の高水準に上昇していた。

 ただ、欧州通貨の下落でクロス円が下げたことや、米株が軟調に推移したこともあり、円高の動きがドル円の上値を抑え上げを戻している。

 ユーロドルは1.03ドル台に再び下落。一時1.0435ドル付近まで上昇し、本日1.0410ドル付近に来ている21日線を上回っていたが、本日も上値を抑えられた。

 米国では2期目のトランプ政権発足への準備が進む中、ユーロドルのパリティ(1.00ドル)への下落が取り沙汰されている。今月20日の大統領就任式後に実現する公算が大きいとの見方も出ているようだ。先週は1.02ドル台前半まで下落したが、値ごろ感の買いも出たものの、21日線は回復できていない。下向きのトレンドが続いている格好だが、オプション市場ではパリティー到達のリスクに備えた取引が活発化している。

 パリティまでさほど距離がないことから、トランプ氏の就任式か1月末のFOMCとECB理事会までには到達するとの見方も出ているようだ。

 ポンドドルは1.25ドルを割り込む展開。本日は英30年債利回りが1998年以来の高水準を付けていた。英国債は年初から新規供給が相次ぐ見通しで、ブレア首相時代の98年以来となる5.22%に一時上昇。

 この日は30年債入札が行われ、応札倍率は2023年以来の低水準だった。供給に対する懸念がなお残っていることが浮き彫りとなっている。ただ、利回り上昇を受けてポンドを買おうという動きはない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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