きょうのNY為替市場、ドルの買い戻しが出ている。ドル円は前日の急落の流れを引き続いて東京時間に一時155円台前半まで急速に売られていたが、海外市場に入って156円ちょうど付近まで買い戻されている。 先ほど発表の12月の米小売売上高は予想を下回り、前回から伸びは鈍化した。しかし、前月比0.4%上昇と個人消費の底堅さは示している。 短期金融市場ではFRBの7月利下げ期待が復活。前日の米消費者物価指数(CPI)が、インフレ再燃への警戒を強めていた市場に安心感を与えたようだ。ただ、力強い雇用や底堅い個人消費から、インフレの先行きについては慎重な見方も根強い。「来月の米CPIも落ち着いた内容となれば、追加利下げが再び選択肢として浮上する可能性はあるが、あくまでそれを確認する必要がある」といった声も聞かれる。 一方、日銀が来週の決定会合で追加利上げを行うとの見方が強まっている。植田総裁は前日の講演で利上げを議論すると述べていた。氷見野副総裁も同様の趣旨を示していたほか、利上げの公算が大きいとの観測報道も流れている。短期金融市場では来週の利上げの確率を80%以上に高めている。前日は70%程度だった。日銀決定会合はトランプ次期大統領の就任式後になるが、日銀は特に波乱はないと見ているのかもしれない。 なお、本日は次期米財務長官に指名されているベッセント氏が、米上院財政委員会の公聴会に出席する。次期政権の関税やその他の政策に関するヒントを探ることになりそうだが、ドルについは引き続き世界の準備通貨であり続けることに言及するものと思われる。また、一部からは、関税が財政均衡化の主要な手段として強調された場合、ドル高の反応を示す可能性があるとの指摘も出ている。このあと日本時間0時30分ころから開始予定。 ドルについて一部からは、上昇を持続する可能性はあるが、来週20日のトランプ氏の大統領就任式を前に利益確定売りが入る可能性も留意されるといった声も聞かれる。 なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は157円に観測。 16日(木) 157.00(9.0億ドル) 17日(金) 157.00(20.3億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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