ドル円は156円台に買い戻される 本日はドル高・円安の二重の追い風=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って買いが優勢となり、一時156.70円近辺まで上昇した。本日の21日線が157円台前半に来ているが、その水準を試す動きが出ている。NY時間に入ってドル自体に買い戻しが出たことや、株高・円安の動きも見られ、ドル円は二重の追い風を受けた。 ドルに関してはトランプ大統領の関税の行方次第のところだが、今後エスカレートするようであれば、ドル買いが強まるとの見方も出ている。ただ、いまのところは段階を踏んだ措置との見方が市場を支援しており、ドルは上げを一服させている。 ただ、米大手銀の最新ファンドマネジャー調査では、投資家は2025年にドルが最もパフォーマンスが良いと予想しているようだ。1月調査では、投資家の41%がドルが最もパフォーマンスが良いと予想。ドルを割高と見ている投資家は58%で、前回12月調査では59%だった。 一方、円については週末の日銀決定会合待ちの雰囲気もある。市場は利上げを確実視しているが、ほぼ織り込み済みで、当日は次のヒントを探る会合になりそうだ。植田総裁は慎重姿勢を堅持するものと見られており、市場ではハト派な利上げになると見られている。そのため、円高の反応は期待しにくいといった声も根強い。 ユーロドルは一時1.0460ドル付近まで買い戻されていたが、NY時間にかけて戻り売りに押されている。ユーロドルは今週の急上昇で21日線を突破し、リバウンド相場への期待を高める展開が見られている。本日はその動きは一服しているものの、下押す動きまでは出ず、いまのところ1.04ドル台は堅持している状況。 ストラテジストによると、基本的な要素は依然ドル高を示唆しているが、ユーロの極端なショートポジションは最近の為替相場の動きを受けて一部解消される可能性があると述べている。シカゴ筋(CTA)によるドルロングは、特に米大統領選を受けてユーロが大幅に下落したことを踏まえると、かなり行き過ぎているように見えると指摘。米大統領選後のドル高を受けて、投機筋の米国の例外主義への賭けが強まり、それは他の主要通貨のショートポジションの急増に繋がっているという。 ポンドドルはロンドン時間に一時1.2375ドル付近まで上昇したものの、NY時間にかけて1.23ドル台前半に伸び悩む展開。本日の21日線が1.2380ドル付近に来ており、上値を止められた格好。リバウンド相場の兆候は出ているものの、依然として上値の重さが意識される展開が続いている。 一部からは、英政府が信頼感の改善に取り組めば、ポンドは数カ月でユーロでは回復の可能性があるとの指摘が出ている。さもなければ、英国は長期的な潜在成長を高めるという目標は達成されず、ポンドの現在の弱さはより長期に渡って正当化されるとしている。 英成長はここ数カ月で顕著に減速しており、様々な消費者および企業調査は晩夏以降、ほぼ壊滅状態にある。これを受けて英経済の見通しを若干下方修正しているが、それでもユーロ圏よりは幾分成長は強いと見ているという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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