やや円安水準での推移、ユーロは上値重い 米PCEデフレータ待ちに=ロンドン為替概況 ロンドン市場では、やや円安とユーロ安での推移。ドル円はロンドン朝方に155円手前まで買われた。クロス円もユーロ円が一時161円台乗せ、ポンド円は192円台半ば付近へと上昇。この日の植田日銀総裁の発言では「経済・物価見通しが実現していけば金利引き上げ緩和度合い調整する」との基本線が繰り返されたが、「基調的物価はまだ2%を下回っている」「基調的物価2%に向けて徐々に高まるよう、緩和環境を維持」などと発言したことが市場に緩和的との見方を広げていたようだ。ユーロ相場は対円では底堅く推移も、対ドルや対ポンドでは上値が重い。ユーロドルは1.04台乗せから1.03台後半へ、ユーロポンドも0.83台後半から半ばへと下押しされている。この日発表された独小売売上高が弱含んだことに加えて、独各州ごとの消費者物価が前回から伸び鈍化したことを反映している。 ECB専門家予測調査では、目先のインフレは上方修正されたが、成長見通しは25-26年と下方修正されている。この後の米PCEデフレータなどの発表を控えて、ドル円は154円台後半での揉み合いに落ち着いた。 ドル円は154円台後半での取引。東京午前は154円台半ばから153.92近辺まで下押しされた。トランプ関税関連の報道が重石となっていた。しかし、その後は円安方向に転じている。日本時間午後3時過ぎには植田日銀総裁が「基調的物価はまだ2%を下回っている」「基調的物価2%に向けて徐々に高まるよう、緩和環境を維持」などと発言したことが市場に緩和的との見方を広げ、ドル円は154.94近辺まで高値を伸ばした。ロンドン時間に入ると買いは一服。154.50付近までの調整売りを経て、154円台後半での取引に落ち着いている。 ユーロドルは1.03台後半での取引。東京市場では1.0390付近の前日NY終値を挟んだ揉み合いが続いた。ロンドン朝方には1.0413近辺まで買われる場面があったが、その後は売りに押されている。ロンドン序盤には1.0365近辺まで安値を広げた。ユーロ円は東京午前の159.92近辺を安値にロンドン朝方には161.05近辺まで買われた。その後は上値が重くなり160.20付近まで反落。足元では160円台後半で推移している。独小売売上高や一連の独各州頃の消費者物価の弱含みなどがユーロ相場の上値を抑えた。対ポンドでもユーロ売りが優勢。ECB専門家予測調査では、今年のインフレ予測が引き上げられたが、その後については前回から据え置き。GDP成長見通しは25-26年と下方修正されている。 ポンドドルは1.24台前半での取引。東京市場から1.24台前半での推移が続いている。ロンドン朝方に1.2440近辺まで上昇したあとは1.2401近辺まで下押しされた。ポンド円は東京午前の191.20近辺を安値に買われ、ロンドン朝方には192.47近辺に高値を伸ばした。その後は191.60付近まで調整が入るも再び192円台に乗せてきている。ユーロポンドは0.8374付近を高値に0.8355付近へと軟化している。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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