ドル円、米雇用統計で上下動も方向出ず 利下げに慎重なFRBを裏付ける内容=NY為替序盤

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
 きょうのドル円は東京時間の早朝に一時150円台まで下落する場面が見られたものの、その後は一時152円台まで買いもどされる展開となっている。

 先ほど1月分の米雇用統計が発表になったが、非農業部門雇用者数(NFP)は14.3万人増と予想を下回った。ただ、前回分が大幅に上方修正されたことや、失業率が4.0%に低下したこと、そして平均時給が予想以上の伸びを示したことから、利下げに慎重なFRBの姿勢を裏付ける内容と捉えられいる。

 一部からは「本日の米雇用統計で、FRBは恐らくあと1回は政策金利を据え置くだろう。数字特に驚きはなかったが、失業率の低下と賃金の大幅な伸びは、労働市場が依然として健全であることを意味する」との見解も出ていた。この発表を受けてドル円も上下に振れたが、大きくは動いていない。

 ドル円は200日線をブレイクし、下値模索の様相を強めている。150円を割り込むのではとの声も出ているようだ。落ちついているとは言え、トランプ関税の影響が気掛かりな中、日銀の利上げをサポートする日本のデータが相次いでいることや、日銀の審議委員からのタカ派発言もあり、円買いを入れやすくなっている。これまで円安を好んでいたファンド勢からの巻き戻しも観測されているようだ。

 日銀の利上げについては、当初は早くても次回は7月との見方も多かったが、ここにきて5月の声も出始めている状況。3月後半から4月初めの春闘の情勢を受けて、実質賃金の持続的なプラスが見込めるようになれば、タカ派に傾斜している日銀はすぐに動くと見ているようだ。

 本日は日本時間の8日未明に日米首脳会談が行われるが、トランプ大統領が石破首相との会談で、円安について何らかの議論があるかを市場は注目しているようだ。

 なお、日本時間0時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。

7日(金)
現行付近にはなし

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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