ドル売り優勢でドル円は200日線に顔合わせ トランプ大統領は相互関税措置に署名=NY為替概況 きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となり、ドル円は200日線に顔合わせしている。午後になってトランプ大統領が相互関税に関する措置に署名した。今回の措置では、国ごとに新たな課税を提案するよう指示。手続きは広範囲に渡るため、完了には数週間から数カ月を要する可能性があるとも伝わっている。そのため発動の明確な日程は決まっていない。なお、この計画にラトニック商務長官候補が任命された。ラトニック氏は相互関税計画は4月2日までに開始可能だと述べていた。 一旦ドルは急速に買い戻しが強まったものの、直ぐに売り戻されている。逆に署名前以上に下落。米株式市場も上昇し、米国債利回りも低下していたが、段階的な課税との当初市場に広まっていた楽観的な見方に沿った内容とも受け止めらたのかもしれない。いずれにしろ、詳細を待つ姿勢に変化はない。 なお、本日は米生産者物価指数(PPI)が発表になっていたが、前日のCPIと合わせてFRBの利下げへの慎重姿勢を正当化する内容ではあった。短期金融市場は前日と変わらず、次回の利下げは12月まで後退している状況。一部には年内は据え置きとの観測も出ている。ただ、為替市場は発表直後こそ売買が交錯したものの、前日のCPIである程度消化した面もあり、それ自体は無難な通過となった。 ユーロドルは1.04ドル台半ばに上昇。本日の上げで21日線でサポートされた格好となっているが、ECBの利下げ期待も根強い中で、積極的に上値を試す雰囲気までにはなっていない。 トランプ大統領は、関税ではなく付加価値税システムを使用する国については今後検討するとしている。恐らく欧州を対象としたものと考えられ、間違いなくターゲットを絞っているとの指摘も出ていた。今後、米欧の間の貿易交渉がどう展開して行くか予断を許さない状況に変わりはない。 ポンドドルは1.2565ドル付近まで上昇。21日線を完全に上放れし、1月中旬からのリバウンド相場を維持している。ポンドについては、英国が対米貿易赤字国でもあり、関税の影響は小さいと見られている。ここにて英中銀の利下げ期待も一服しており、ポンドは比較的買いやすい通貨となっているようだ。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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