【場況】 金が大幅続落。ニューヨーク安を受けて売り優勢で始まった。その後は、円高を受け て下げ幅を拡大したが、売り一巡後は下げ一服となった。銀は夜間取引で総じて上昇し たが、週明けは戻りを売られた。 午前11時1分現在の前営業日比は、金標準が258〜192円安、金ミニが 294.5円安〜53.5円高、ゴールドスポットが441円高、銀が6.0円安〜 0.9円高。 午前11時1分現在の出来高は、金が3万1998枚、金ミニが9743枚、ゴール ドスポットが2897枚、銀が26枚。 【NY金は利食い売りが圧迫】 金はウクライナの停戦期待が圧迫要因になった。ウクライナのゼレンスキー大統領 は、安全保障会議が開かれているドイツ南部のミュンヘンで米国のバンス副大統領と会 談した。ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた計画について一段の取り組みが必要にな るとの考えを示した。米政権のウクライナ担当特使ケロッグ氏は15日、欧州諸国がウ クライナ和平交渉のテーブルにつくことはないと発言した。欧州諸国は和平交渉から締 め出されることは受け入れられないと反発した。米国とロシアの政府当局者は数日中に サウジアラビアでウクライナ戦争の終結に向けた協議を開始する見通しとなった。ゼレ ンスキー大統領は15日、米政府から提示された鉱物資源協定案について、ウクライナ の求める安全保障条項が盛り込まれておらず、現時点で国益にならないとの認識を示し た。 米政府は欧州各国に対し、ロシアが攻撃を続けるウクライナの安全を保証する枠組み に参加するために必要な米国の支援について尋ねる文書を送付した。ルビオ米国務長官 は、ロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた「真の交渉」にはウクライナと欧州も参加 すると述べた。 トランプ米大統領は、自動車輸入に対する関税措置を4月2日をめどに発動させる方 針を明らかにした。付加価値税(VAT)を採用している国については、それを関税と 見なすとしている。欧州連合(EU)のVATや日本の消費税が関税とみなされること になりそうだ。一方、1月の米小売売上高は前月比0.9%減少した。厳しい寒波や西 部カリフォルニア州で発生した大規模な山火事などが響き、2023年3月以来の大き な減少となった。第1四半期初めに米国の経済成長が急激に減速した可能性がある。 金先限は1万4138円まで下落した。ニューヨーク安と円高が圧迫要因になった。 円相場は1ドル=151円台後半の円高に振れた。第4四半期の国内総生産(GDP) が予想以上となった。銀先限は158.0円の変わらずとなった。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、もみ合い。きのうの海外市場では、米新規失業保険申請件 数で労働市場の安定が示されたが、インフレ懸念を受けて押し目を買われた。アジア市 場では、朝方の2930.98ドルから、2932ドル台まで上昇したのち、上げ一服 となった。 午前11時現在、金が2895.53ドル、銀は3231セントで推移。前営業日の 大引け時点は金が2928.11ドル、銀が3230セント。 MINKABU PRESS
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