【これからの見通し】円高一服で次の方向性探る展開へ 日米金利差の縮小期待もあり、昨日進んだドル安円高の流れが今朝も継続。日本の消費者物価指数発表前後に149円29銭と年初来安値を割り込む動きを見せた。しかし、植田日銀総裁が長期金利上昇について、「長期金利急激に上昇すれば機動的に国債買い入れ増額」と発言したことなどを受けて日本の金利が急落。ベンチマークとなる10年国債利回りは、朝の1.45%から1.39%までの大きな低下となった。この金利低下を受けてドル円は反転。朝の安値から1円45銭上昇して150円74銭を付けている。 その後日本長期債利回り低下が落ち着き1.42%を付けたこともあって、動きがやや落ち着いている。 この後の海外市場では方向性を探る展開となりそう。米購買担当者景気指数(PMI)などが予想と大きく乖離を見せると、動きにつながる可能性。 日米金利差の縮小期待は継続で、戻りでは売りが出る展開も、東京午前の上昇が激しかった分、149円台前半を再び試すような動きになるかは微妙なところ。150円台後半では売りが出そうで、150円を挟んでの推移か。来週はそれほど目立った米指標発表予定もないことから、ゆっくりと方向性を探る展開となりそう。 ユーロドルは昨日のドル安で1.05台を回復してきた。昨日公表された米小売り大手ウォルマートの決算は、今年度売上高、今後の見通し共に予想に届かない厳しいものとなった。14日発表の米小売売上高の弱さもあって、米個人消費の減退懸念が広がる中での弱い決算に、米個人消費の低迷からの米景気減速見通しが広がる形となっている。昨日の米株式市場ではディスカウント大手ターゲットや会員制大型量販店コストコなども大きく売られており、米消費への警戒感がかなり高まっているだけに、ドル安の流れがもう少し続きそう。ユーロドルは1.05台にしっかり乗せて週の取引を終えると、来週の上方向への動きに対する期待が強まる。 ユーロ円はドル円同様に植田発言を受けた安値からの円売りが目立ち、朝の156円84銭から158円22銭を付けた。高値からは少し調整が入っており、157円台を中心とした推移が見込まれる。 MINKABUPRESS 山岡
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