ドル円、伸び悩んだものの一時149円台 株反発で買戻しも=NY為替概況 きょうのドル円はNY時間に入って伸び悩んだものの、一時149円台に上昇する場面も見られた。下値警戒感が高まっている株式市場が本日は反発していたことからドル円はサポートされた。過去最高水準に積み上がった円ロングの解消も指摘されていたようだ。 本日は3月調査分のミシガン大消費者信頼感指数の速報値が発表され、22年11月以来の低水準となった。景気の先行き懸念をさらに増幅する内容である一方、インフレ期待が予想以上の上昇となり、1年先のインフレ期待は4.9%と予想を上回った。5-10年先に至っては3.9%と32年ぶりの高水準。まさにスタグフレーションの傾向を示す内容ではあった。 景気の先行き警戒感から、市場はFRBの追加利下げ期待を再浮上させており、秋以降に年内2回以上の利下げを見込んでいる。ただ、FRBは追加利下げへの慎重姿勢を崩していないとの見方も根強く、今回のミシガン大消費者信頼感指数は見方を難しくする内容ではあった。 アナリストはドルについて、1月以来の売られ過ぎの状態から回復し、反動で上昇しているとの見方を示した。最近のドル安は米経済の減速に対する懸念の高まりと、年内に米国がリセッション(景気後退)に陥るとの見方が増えていることを反映したものだという。 ユーロドルは今週、1.09ドルを上回ったものの、心理的な節目である1.10ドルを突破できなかった。同アナリストによると、米国とユーロ圏の成長見通しが収束しつつあるため、ユーロドルに依然強気の見通しだという。ただ、1.10ドルを上回るには、投資家がドイツの財政政策の動向を吟味する可能性が高いと付け加えた。 ポンドドルは1.29ドル台での上下動が続いた。本日は1月の月次GDPが公表されていたが、予想外のマイナス成長となった。これを受けて一部からは、英労働党政権の成長計画が裏目に出ているとの指摘も出ていた。様々な不確実性の中での数字だったが、中でもトランプ関税が大きな不安定要因だが、英国内の問題も浮上しているという。予定されている増税が企業の信頼感と投資計画に重くのしかかっていると指摘している。 3月26日にリーブズ英財務相が提出する春季予算案に向けて計画を白紙に戻す必要があるかもしれないという。春季予算案では歳出計画の削減や新たな増税が盛り込まれるとも見られている。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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