ドル円、一時150円台に戻す シカゴPMIをきっかけにドル高の反応=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、一時150円台に戻す シカゴPMIをきっかけにドル高の反応=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は一時150円台に買い戻された。3月調査のシカゴPMIが予想を上回ったことをきっかけに株高・ドル高の反応が見られ、ドル円を押し上げた。シカゴPMIは製造業とサービス業の両方の企業景況感指標だが、2023年以来判断基準の50を下回る状況が続いている。しかし、今年に入って改善の兆候も見せており、今回は47.6と2023年11月以来の水準に上昇。

 最近は市場の反応が鈍い指標ではあるが、消費者や企業の信頼感を示すソフトデータに弱い内容が相次ぐ中で、本日は一服感を与えているようだ。ただ、今週のトランプ関税への警戒感が強い中、市場にはリスク回避の雰囲気も見られ、150円台に入ると戻り待ちの売りオーダーも多数観測。終盤に149円台に戻している。

 なお、ホワイトハウスはトランプ大統領は4月2日にホワイトハウスのローズガーデンで行われるイベントで関税を発表する予定だと発表した。発表は「国ベース」の関税に関するものだが、トランプ大統領は別の機会にセクター別の関税を導入することにも注力している。イベントにはトランプ政権の閣僚も出席する予定だという。

 ユーロドルは緩やかな戻り売りに押され、一時1.07ドル台に下落する場面も見られた。ただ、ECB理事が4月の理事会で追加利下げの見送りに傾いているとの報道もあり、1.08ドル台に買い戻される展開。

 一部からは、関税リスクを考慮するとユーロは割高に見えるとの指摘も出ている。米国がEUに対して厳しい関税を課す方針であることが予想され、それを考慮するとユーロドルはやや割高に見えるという。ユーロドルは最近、米経済成長に対する悲観論に加え、EUおよびドイツの財政支出拡大計画を受けて上昇している。しかし、これらはいずれも、まだ確かなデータによって裏付けられたものではないため、関税発表を前にユーロがさらに上昇する可能性は低いと見ているという。

 もし今週、米国がEU製品すべてに高関税を課すことを選択した場合、ユーロドルは1.07ドル付近まで下落する可能性があるとも述べた。

 ポンドドルは一時1.28ドル台に下落。本日の21日線が1.2920ドル付近に来ており、下回る展開となっているが、上値が重くなってはいるものの、まだ1月下旬からのリバウンド相場は堅持している状況。

 トランプ関税の直接的な影響は少ないものの、英景気にも先行き不透明感が台頭している。しかし、ユーロ圏とは異なり、英インフレは依然として高水準で推移している中、市場の年内の利下げ期待は2回に留まっている。しかし、一部のエコノミストからは、年内に英中銀はさらに4回の利下げを行う可能性があるとの指摘が出ている。

 「われわれは英中銀の予測よりも弱い労働市場のデータと、インフレ見通しの不確実性が年央には解消され、年内に追加で4回、計1.00%の利下げができると見ている」と主張している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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