きょうの為替市場はドル安が再び強まる中、ドル円は前日の上げの多くを失っている。先ほど発表の3月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、総合指数は前月比で予想外の低下となっていた。コア指数も予想以上に低下。 これを受けてドル安が加速し、ドル円は一時144円台まで下落する場面も見られた。ただ、今回のCPIの数字がフェド・プットまで期待できる内容かはまだ未知数。 ここに来て市場では米国離れが指摘されており、米国債が不安定な動きをしているほか、ドル離れも指摘されている。前日の10年債入札は不安を後退させていたが、本日も30年債入札があり、動向が注目される。 トランプ大統領が90日間の関税一時停止を承認したことから、前日の市場は熱狂の渦に飲み込まれ、ドル円も144円台から一気に148円台まで一時急騰していた。しかし、市場はこの先の不安を払しょくできず、今回の貿易戦争が米経済に長期的な打撃をもたらすのではという懸念が根強い。 「米国市場から資金を引き揚げるべき」、「関税の猶予期間が延長されたとしても、景気後退の可能性は五分五分」、「すでにダメージは与えられてしまった。パンドラの箱はすでに開いた」といった類の声が多く聞かれる。 日銀の利上げが遠いたとの見方が多い一方、ドル円は第1次トランプ政権時の100円台から最大6割も円安になり、米国にとって日本との関税交渉で円安是正のウエートは大きい。日銀は簡単に利上げの旗は降ろせないといった声もあるようだ。 なお、日本時間23時のNYカットでのオプションの期日到来は現行付近には観測されていない。 10日(木) 145.00ドル(7.0億ドル) MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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